精神健康医学科での初診の続き。
医師の「どういう理由で治療を受けたいと思ったのか」という質問から始まった。
開頭手術、出産、てんかん剤の服用の話をし、
「育児うつではないかと思って治療を受けたいと思った」と答えた。
医師は
「育児うつだと、自分で思う理由は何か」というので、てんかん剤のことと
「少々のことなら平常心でいられるが、作ったご飯を娘が食べてくれなかった時に、スイッチがはいり、娘のやることなすことすべてに、イライラし始め、大きな声でどなりつけるようになりました。発狂しそうになったら娘をリビングにおいて、寝室に1人こもってクッションを投げたり。ひどいときは娘の前で洗濯物を散らかしてしまったりしました。
部屋の向こうで娘の泣く声が聞こえても、何もできずにとじこもっていました。
当然旦那にも強くあたりました。いっぱい泣きました。それくらいイライラしはじめたときは、指の爪を噛むようになった。一番イライラがすごい時は・・・少し、いいにくいんですが・・・」
と、言葉が詰まった瞬間
医師が「娘さんを殺したくなった?ですね?」
というので、びくっとした。
この直接的な言葉にかなり衝撃を受けながらも、こう答えた。
「殺したいというよりも、おしりでも叩いてやりたい、ものを投げつけてやりたい、ひっぱたきたい。と思うようになりました。そうですね、殺すという言葉より、「いなくなったらいいのに」と頭によぎったこともあります。」
こう答えるのが精一杯だった。涙を流さないようにこらえていた。
医師は簡単に「殺したくなった」という表現を使ったが、
そう思って、この科にやってくる人もいるからなんだろうな。と、
変な話少し安堵した。
さらに話は続いた。
「これ以上24時間一緒にいたら、お互いに自分が望むような関係は築けない気がしたので、2歳数ヶ月でオリニチプに通わせるようにしました。もともと2歳頃から通わせるつもりではいたので。
でも、オリニチプに通わせて4ヶ月たちますが、前と精神的に変わりません。未だに大きな声で腹を立てたりします。
特に、変わったことといえば、
一緒にいたときは、毎日やることがありすぎたので、考える暇も休む暇もなかったのですが、今自分の時間ができたにもかかわらず、その時間を無駄にしてしまうようになりました。
ある程度の家事を終えて、TVをみるとか本を読むとか、自分のやりたいことをやろうとした、ふとした瞬間、一切何もできない時間ができるようになりました。
無気力になるんです。ぼーっとしてしまい、思考が停止してしまい、ソファでただただボーっとしてしまいます。ただただ何もしたくない。したくないというより、何もできない。体が動かない。気分が底辺にまで落ち込んでしまう、という感じになります。半日そんな状態の日もありました。
それが、『おかしい』と思い、『時間がもったいない』とあせって、余計ストレスがたまっていくというのを感じました。」
「気分がハイになることは?いつもと違うくらい気分が高揚するということですが」
「ありません。ただただ、落ち込むだけです。通常の生活をしていて突然。
ハイになるというのは、何かにがむしゃらになったり、いつも以上に喜んだりということですか?なら、それはないです。躁うつ病のことを言っているのなら、ちょっと自分は違うのかなと思います。旦那にもきいてみましたが、客観的に喜怒哀楽の哀の部分のみがいつもと違うといわれました。怒の部分は、出産後やはりひどくなっていましたが。」
医師は、
「では、まずは日を決めて心理テストを受けましょう。恐らく結果は、『脳出血を起こした部分が原因』ということになりますが。手術した部分が、まさにうつ病を引き起こす部分であるのは、手術の画像からみても一目瞭然なので。
それと、薬も服用してみましょう。」
薬は避けたいなと思っていたので、「薬物治療より、カウンセリングのほうがいいんですが・・」
というと、
「カウンセリングもできますが、1週間に一度の診療と、その都度数万ウォンくらいはかかりますよ。今の状況を鑑みると、あなたには薬のほうが楽かもしれません。」
「・・・・とりあえず薬にしてみます。(飲む飲まないは自分都合だし)」
「では、そうしましょう。」
といって、心理テストの日程を決め、心理テストの大量の「宿題を」渡され、
薬を処方し初診が終わった。