一つの方式を突き詰めるのが正解、とは限らない ― 『ほとんど使わない』と答える理由 | ダナ形成外科

 

一つの方式を極めることこそが信念であり、良い医療の証だ、と受け取られることがあります。けれども実際には、フォーセップスやDNI(スリットを入れてから植える方式)、インプランターなど、方式ごとに固有の使いどころがあります。状況に合わせて選べる柔軟さのほうが、一つを上手に扱うことよりも大切だと考えられます。使う場合も、医師が直接行います。

 

たとえるなら、ゴルフです。ドライバーだけが上手でも、ゴルフは完成しません。アイアンもウッドも必要で、300メートルのドライバーショットでも、1メートルのパットでも、一打は一打です。移植の道具も同じように考えます。

 

フォーセップス・スリットでよく論じられる限界は三つあります。一つ目は、毛包が圧迫されて傷むことで、非切開で採取した毛包は特に傷みやすいと言われています。二つ目は、植え込みの過程で毛包が折れることが多いという点です。三つ目は、時間が長くかかって体外にある時間が延びると、生着に不利になる場合があることです。ただし、これらは「確立した事実」ではなく、あくまで「よく論じられる点」です。

 

一方で、インプランター方式にも短所はあり、一方だけを貶める話ではありません。時間を縮めるための器具の改良は続いていて、複数の毛包を一度に植える多連式のインプランターのような試みもあります。フォーセップスを巧みに扱う医師もいて、どの方式が誰に合うかは、頭皮や毛包の状態と、医師それぞれの得意分野によって異なります。この記事で優劣を言い切ることはできません。

 

ひと目で比較

方式 どんな方法か よく論じられる限界 見方
フォーセップス・スリット フォーセップスで毛包を扱い、スリットへ植える方法 毛包の圧迫損傷、植え込み時の折れ、体外にある時間の延び ごく限られた状況で選ぶことがある
DNI スリットを入れてから植える方式 方式ごとに固有の短所がある 適した状況がそれぞれ異なる
インプランター 専用の器具で植え込む方式 こちらにも短所がある 時間を縮める改良が続いている

よくある質問

Q. フォーセップス・スリットは、古い方法なのでしょうか。

A. 新旧で分けられる話ではありません。それぞれに使いどころがあり、状況に合わせて選ぶという考え方です。

 

Q. 方式によって、向き不向きはありますか。

A. 頭皮や毛包の状態、医師の得意分野によって異なります。優劣ではなく、ご自身が目指す方向と合うかどうかの問題として考えます。