髭の採取跡は「盛り上がる傷」ではありません ― だから肌の色が効いてきます | DANA Plastic Surgery

 

多くの方が思い浮かべる傷あとは、盛り上がるか、へこむか、赤みが残るかのいずれかです。表面が変わっているから見える。ですから「跡が残るか」という問いも、その前提で立てられています。ところが髭の部位の小さな採取跡は、たいていそういう表面の変化を残しません。ここが前提のずれになります。

 

実際に残るのは色の変化です。周囲より少し白く抜けた小さな点として治ります。低色素性、と呼ばれる残り方です。線でもへこみでもなく、平らな淡い点です。

 

この違いが、変数の置き場所を変えます。盛り上がる傷はどんな肌でも見えます。光の当たり方が変わるからです。平らで淡い跡は、周囲よりどれだけ明るいかに比例してだけ見えます。つまり、まったく同じように治った跡が、ある方では探しても見つからず、別の方では目につく。手技の差ではなく、周囲の肌の色の差でそうなります。

 

実務上の結論は二つです。一つは、肌の色が濃い方の場合、同じ跡でも差が大きく出るため、術式の組み立ても術後の管理もより丁寧にする必要があるということ。これは受けられないという意味ではなく、事前に共有しておくべき条件だという意味です。もう一つは紫外線で、周囲の肌が濃くなって跡が濃くならなければ差は広がりますから、治癒期間の日焼け対策は付随的な助言ではなく、見え方を決める変数に直接効く対策になります。ただし限界も申し上げておくと、パンチの直径、使う部位、術式、そして個人の治り方も見え方に関わり、結果には個人差があります。

 

ひと目で比較

  盛り上がる・へこむ傷 色が抜ける跡 ここで効くもの 紫外線の影響
変わったもの 表面 色素 髭の部位は平らに治ります 受けます
見える理由 光の当たり方 周囲との色の差 差が変数になります 差が広がりえます

よくある質問

Q. 自分の肌では跡が見えますか。

A. 治った跡とご自身の肌の色の差、パンチの直径、使う部位、治り方によります。一般論ではなく診察で判断します。

 

Q. 肌の色が濃いと採取できませんか。

A. いいえ。幅広い肌の色の方で行われています。ただ、組み立てと術後管理により注意が要るため、事前にお話ししています。

 

Q. 日焼け対策はいつまで必要ですか。

A. 治癒期間を通してです。具体的な期間はご自身の術後指示に含まれます。

 

Q. 跡が気になった場合、あとから対応できますか。

A. 状態によって取りうる対応は変わります。まず診察で実際の状態を見ることになります。