「非切開式の自毛植毛は、毛を短く切ってから、その下の毛包を専用の器具で採取する」――これがこれまで当たり前とされてきたやり方です。切る、採る、という2つの動作が別々に行われるのが基本でした。
ですが、この「別々である必要がある」という前提そのものが、必ずしも一つだけの正解ではなくなってきています。切る動作と採取する動作を、同じ器具の同じ一回の動きの中で行う方法も使われるようになってきました。
この違いが積み重なることで、採取部位全体の作業時間が短くなり、何千という単位の毛包を扱う長い手術の中で、術者が同じ動作を繰り返すことによる負担も減っていきます。負担が減ることは、手術の後半になっても安定した精度を保ちやすくなることにもつながります。
とはいえ、これは「切る」と「採る」をどう組み合わせるかという工程上の工夫にすぎません。毛包をどれだけ正確に周囲の組織から分離できるか、毛の太さに合った器具の太さを選べているか、採取密度を頭皮全体でどう管理しているか――結果を左右するのはやはりこうした基本の部分であり、工程を一つにまとめたからといって、それらの技術が自動的に伴うわけではないという点は、はっきりさせておく必要があります。
ひと目で比較
| 工程 | 従来(切る→採るの2段階) | 統合した場合(1つの動作) | 工程が変わっても同じ条件 |
|---|---|---|---|
| 毛を切ってから採取するまでの時間 | 一呼吸置くぶん、やや長くなる | ほぼ同時に行われるため短くなる | 器具の太さは毛の太さに合わせる必要がある |
| 1グラフトあたりの動作 | 止める→切る→止める→採る、と動作が分かれる | 一連の流れとして連続的に行われる | 分離の精度が痕跡の目立ちやすさを左右する |
よくある質問
Q. 切る・採るを一つの動作にまとめると、結果は良くなりますか?
A. それだけで結果が良くなるわけではありません。毛包の分離精度や採取密度の管理といった基本が結果を左右する点は変わりません。
Q. 従来の2段階の方法は古い方法なのですか?
A. そうではありません。今も広く使われている確立された方法で、結果を左右する基本的な要素はどちらの工程でも同じです。
Q. カウンセリングでは何を確認すればいいですか?
A. 工程がどちらかということよりも、採取密度や器具のサイズを長時間の手術を通してどう管理しているかを確認する方が、実際には役立ちます。
