こんにちは!備後屋です。
海の日も終わり、夏まっさかりですね。
あと1週間もすれば、子供たちの楽しい夏休みも始まります。
さて、中国・四川省にある、弊社の田んぼでは、先月末からイグサの刈り取りが始まっています。人の背丈ほど大きく伸びたイグサが、16万坪もの広大な土地にサワサワと揺れる様には、夏の暑さを忘れるような涼やかさがあります。
この大量のイグサ、日本では「ハーベスタ」という農機を使って刈り取っていきます。
しかし、弊社の四川の田んぼでは、人の手で刈り取っていきます。その数、総勢200~300名ほど。毎年この時期になると、四川省にかぎらず、チベットや内蒙古の遠方からもメンバーが駆け付け、田んぼは一気ににぎやかな雰囲気に包まれます。
この時期はイグサの刈り取りシーズンとはいえ、それぞれの田んぼの日照条件や、水の出し入れのタイミングなど微妙な生育環境の差によって、イグサの刈り入れピークは少しずつずれていきます。
そのわずかな差を見逃さず、どのタイミングでイグサを刈り取ればいいのかをひとつずつ見極めていくのも、刈り取り作業の重要なポイントです。
機械で刈り取っていくイグサに比べ、手で刈り取るイグサは、労力と時間がかかる分、草自体に傷がつきにくいのがメリットです。機械で一気に刈り取った場合、イグサに傷を付けてしまい、美しい畳表を織り上げるのに支障をきたす場合があります。均一の美しい織り目とテカリを出すためには、イグサの傷は致命傷なんです。
多くの人の力と想いを込めて、一本一本刈り取られるイグサ。
今年の新畳は、どれほど香り高く美しい作品に仕上がるのか。今からその出来が、待ちどおしてくてたまりません。