こんにちは!備後屋です。

赤や黄色の紅葉がちらほら目についてきた今日この頃。

店頭に並ぶみかんや柿に加え、ハロウィーンの飾りが至るところに溢れ、街全体がオレンジ色に染まってきましたね。

 

オレンジ色ではないですが、畳にも美しい黄金色(こがねいろ)というのがあります。これは、青々とした新しい畳が、何年も使用していくうちに焼けて色が変わり、黄金色になっていくというものです。

新しい畳はそれだけで、新鮮なイグサの香りが際立ち、見た目にも爽やかで清々しいですが、黄金色に焼けた畳もまた、風情たっぷり。

旅先の旅館や、田舎の祖父母宅にいるような、どこか懐かしく落ち着いた気持ちにしてくれます。

 

 

さて、この黄金色の畳ですが、お手入れをきちんとすればするほど美しく仕上がるのをご存知でしたか?

畳のお手入れと聞くと、なんだか難しそうと敬遠されがちですが、蓋を開けてみるととても簡単。

「月に一度、乾拭きをする」。

たったこれだけなんです。

 

乾いた雑巾で乾拭きをすると、畳表皮の内部にある植物油が徐々に表面に出てきます。

この植物油がサンオイルのような役割を果たし、畳自体がこんがりと綺麗に焼けていくのです。ほどよいつやも出て、初期の畳とはまた違った雰囲気が楽しめることでしょう。

 

特に、良質なイグサほど畳は美しく焼けます

というのも、良質なイグサは形がまん丸で、均一だからです。そのため、日光の当たり方も平等で、ムラなく焼けることができるんです。

 

反対に、低価で品質の良くないイグサは、中身がスカスカ。そのため、収穫の時に茎がつぶれてしまい、凹凸ができてしまうんです。

このようなイグサが畳になったとしても、形が揃わないため黄金色への焼け方もイマイチ。

 

畳を選ぶ際は、その場の見た目だけではなく、数年後のことまで見据えてよい畳を選びたいものですね。