俺は道化師なんだろか?彼女の寂しさを紛らす道具に過ぎないのか?
無理矢理でも奪い取って俺の彼女にしてしまえばいいのか?

死ぬ程好きなのに。

初めて彼女のアパートの前で由美ちゃんを抱き締めた時、絶対に離したくない、俺の彼女にしたい、強く思ったのに。なんなんだ俺は。

本当の彼女の幸せはなんなんだ?!

信頼する人生の大先輩に相談した。
「神崎さんそれは彼女自信に決めてもらわないとダメだよ。」
と言われた。しっかり言われた。確かにそうかもしれない。
数日後米谷さんの奥さんに「2人の事、もう結論出さないとダメだよ」そう言われた。由美ちゃんも同じことを言われたらしい。
そんな事はわかっている。だけど本当はもう少し時間が欲しかった。2人の行方をもっと見極めたかった。
今の自分なら強引にでも自分の彼女にする努力をしたはずだ。あの時はできなかった。

2人で会って話し会った。「自分の気持ちはどんな事をしてでも、由美ちゃんを俺の彼女にしたいよ。死ぬほど好きだよ。だけど最後の答えは由美ちゃんが決めて欲しい。」「まったく同じことを彼にも言われたの。慎吾さん私どうしたらいいの?私が彼をもし選んだら、慎吾さんが米谷さん夫婦と友達で有る限り、私と彼とも会う機会が出てくるんだよそれでも大丈夫なの?」
大丈夫な訳がない。でもこう言うしかなかった。「それは仕方がないよ」
「少し考えて見るね」由美ちゃんはそう言った。

数日後、米谷さん夫婦と4人でボーリングに行こうと由美ちゃんに誘われた。
由美ちゃんは俺にこう言った。「私が勝ったら、彼の元へ戻るね。慎吾さんが勝ったらあなたの彼女になります」
女性を相手に俺は情けない程、かなりマジで競った。結果は俺の惨敗だった。
由美ちゃんは「毎日ボーリングで腕を磨いていたから、私には簡単に勝てなくて当然なの。」
悔しいやら、悲しいやら、複雑だった。
彼女が彼を選んだ訳をこう言っていた。
「彼との時間の方が長くて慎吾さんの方に飛び込む勇気が私にはなかったの。それとね、2人きりになっても慎吾さん、私になにもしないから心配になったの」俺は彼女と居るだけで幸せだったし、大切にしたかったから、もっと暖めたかったから。なのに。
この後、米谷さん夫妻と4人でカラオケに行きたいと由美ちゃんが言い出し、行った。俺に自分の気持ちを歌で伝えたかったらしく、「小泉今日子のあなたに会えてよかったは私の気持ちと同じなの」と歌ってくれた。なんだか複雑な思いで聞いた。
彼女は「10年後にまた会おうね」と出来ない約束を俺としてから別れた。
しばらくしてから、彼女から電話が来て「また会って一緒にボーリングに行きたいの」と言う。さすがの俺も「今更会ってどうするの?俺たち終わったんだよ」と言った。また会えば辛さが増すばかりだと思った。