「ローカル線で行こう!」/真保裕一(講談社)

すっかり赤字路線で廃線の危機さえ迫っているもりはら鉄道(通称「もり鉄」)。
県庁から出向して来た鵜沢哲夫は副社長に任命される。
そのとき同時社長に抜擢されたのは、東北新幹線でカリスマ・アテンダントと
呼ばれていた31歳の篠宮亜佐美だった。 彼女はアテンダント時代に
1日50万円(平均20万円/日)という驚異的な売上を上げていた。
二人を中心として、もり鉄の再生に向けて半年を期限に様々な改革で立直しを
図っていく話。 ある意味、サクセス・ストーリーのビジネス書入門編的な
セオリーも持ち合わせている。
それまでのらりくらりの赤字が出て当たり前のもり鉄が、
亜佐美と哲夫というカンフル剤を注入されたことにより、
目に見えて周りの関係者の意識レベルが上がってくる。
まずは、沿線のお客さんあってもり鉄。 さっそく取り組んだことは、
運転士にニックネームをつけることにはじまり、亜佐美自身も
客寄せパンダよろしくイベント列車を運行。 また社内で
企画コンテストを開き、トイレの改修にも乗り出す。
ムチャ振りも多い亜佐美だが、役人体質の哲夫とぶつかり合いながら、
逆にお互いのないところをカバーし合って、もり鉄再生に邁進。
もり鉄と共に沿線の町も活気づいていくのだが、途中で妨害が入る。
線路に毛布や傘が置かれ、列車の電源コードが切られ、無人駅に火が
つけられ、さらに意図的に崖崩れを起こされ線路が土砂で埋まってしまう。
まあ読み出したら止まらない(笑)
テンポが良く、わかり易い設定で且つアイデア満載。
一口で言ったらまるで絵に描いたような物語。
真保作品は未読だが、最近映画化された『県庁おもてなし課」のような感じ。
僕のイメージでは亜佐美は米倉涼子かな(笑)
初めて読んだ真保作品ですが、映画化された作品は、
古くは『ホワイトアウト』、近いところでは、
『アマルフィ 女神の報酬』、『アンダルシア 女神の報復』を観たかな。
読み易く、且つ起承転結がはっきりしているので、
どんどんストーリーにのめり込んでいくような本でした