
□作品オフィシャルサイト 「J・エドガー」
□監督 クリント・イーストウッド
□脚本 ダスティン・ランス・ブラック
□キャスト レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、
ジョシュ・ルーカス、ジュディ・デンチ、デイモン・ヘリマン、ケン・ハワード
■鑑賞日 1月28日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
FBI(米連邦捜査局)を創設し、若くして初代長官を務めたジョン・エドガー・フーバー。
その半生を、レオナルド・ディカプリオが演じ、クリント・イーストウッドが監督した作品。
つい先日、主演のディカプリオはアカデミー賞のノミネートすらされなかった。
今回、イーストウッドとディカプリオとは初めてのタッグを組む。
国民の身元情報の管理、指紋照合の活用等、科学捜査の導入でFBIを現在の巨大組織へと発展させた。
反面、大統領に至るまで各権力者に対し盗聴等で膨大な機密ファイルを作成し、
あらゆる影響力を強めていった。
しかしながら、彼の実力の陰には、秘書のヘレン(ナオミ・ワッツ)と補佐官のクライド(アーミー・ハマー)の存在があった。
国家権力をも左右するエドガーだが、そこには、幼い頃からの母親(ジュディ・デンチ)からの溺愛、
クライドとの口外できない関係など、隠された禁断の私生活があった。
イーストウッドはそのエドガーの人間像を赤裸々に描いていくのだが、
ディカプリオがエドガーの経年変化と巨大権力に対する秘密情報を掴むことで、
正常ではない人間像を浮き彫りにしていく。
確かにディカプリオの演技は迫真の演技だと言えるだろう。
イーストウッドがここで語りたいことは逆に何だったのだろう。
あらゆる面で権力を持った人間が為し得るその行方なのだろうか。
それとも、様々なコンプレックスを抱え込む人間の孤独な姿なのだろうか・・・。
それまでのイーストウッド監督とはちょっと違った視点が、逆にこの映画を理解するうえで
少し邪魔になったような気もするのだが。
J・エドガーという素材に焦点を絞ったがために、ディカプリオをはじめ、ジュディ・デンチや
ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマーという俳優陣が活きてこなかったような気もするのだが。
もっと端的な会話のやり取りで、十分に魅力ある俳優陣の演技力は引き出せたのではないのか。
ディカプリオがアカデミー賞にノミネートすらされなかったのは、
その責任の一端は実はクリント・イーストウッドにもあったのではないだろうか。
話が脱線してしまうのだが、今TVドラマで「運命の人」がオンエアされている。
緊張感と緊迫感とで進むこのドラマのセオリー、比べてはいけないが、
このJ・エドガーの半生を浮き彫りにするにはこんなテンポと切替が必要ではなかったのだろうか・・・。
起伏のないテンポとセリフの多さにはちょっと引き気味で、期待はずれ感は否めないところだった。
ただ余談になるが、イーストウッドはその俳優としての人生を自ら閉じ、監督業に専念したのだが、
近いうちに俳優としてまた彼の演技を観せてくれるという。 そっちも楽しみだなぁ。