
□作品オフィシャルサイト 「青い鳥」
□監督 中西健二
□原作 重松 清(「青い鳥」新潮社刊)
□脚本 飯田健三郎 / 長谷川康夫
□キャスト 阿部 寛、本郷奏多、太賀、鈴木達也、重松 収、岸 博之、
井上 肇、山賀教弘、中帆登美、伊藤 歩
■鑑賞日 12月7日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
この映画を観たいと思ったのは僕の好きな重松清氏の原作だったことと主演が阿部ちゃん
だったこと。 映画化されるという話を聞いたとき、まず主人公である村内先生を
阿部ちゃんがやるということで原作を読み始めた。 過去に何作か重松作品が映画化
されているが、(・・・そういえば「流星ワゴン」はどうなったんだろうか?)
正直期待に沿う作品が出来ていたとは思えない。
原作は8編の短編から構成されている。 そのうちの一つがこの「青い鳥」だ。
原作(「青い鳥/重松清」)を読んだときの感想としてはこの作品より他の作品の方が
面白いと思ったのだが、重松氏がそれまでに書かれた自身の経験を踏まえ、静かに
メッセージしてきたテイストは決して損なわれては居なかったと思う。 しかしながら、
現代の中学生がこれを観たとき、どんな感想を持つのか、そのほうが興味深いドキュメントに
なるのではないだろうか。
主人公である イジメがあったことは青い鳥という意見箱や、反省と言う名のレポートなどで、
生徒も教師も事実を事実と受け止めない間違った解釈で流してしまっている。 そこに
村松先生が臨時教師として入ったおかげで、何が重要なことかを自ら生徒たちにも
教師たちにもわからせようとする。 彼は吃音である。 そのためカ行とタ行、そして
濁(半濁)音がドモってしまう(かつて重松氏も自身その経験があるそうだが)。
吃音ゆえに彼は短いが伝えたい言葉を選んで、本気で言葉を伝えようとする。
それは本気で伝えなければ相手に伝えわらないし、本気で受け止めることもできないからだ。
イジメだけに捕われず、彼は自分がしたことには自分が最後まで責任を持つべきだと教える。
今回のイジメに対しても決してイジメた人間はそれを忘れてはならないことだと、
イジメによって転校した生徒の机と椅子を元に戻し、毎朝声をかけるのである。
そういった行為が果たして効果があるのかどうかはわからない。 しかしながら教師が
最低限出来ることは、いつも生徒のそばに居てやることだという。 イジメはそこにひとり
ぼっちを作らないこと。
阿部ちゃんは今までにない演技で、静かながら力強い演技をしている。 これは中西監督が
長回しで阿部ちゃんの表情を追った成果だと思う。 また一度だけイジメにかかわったことに
今でも葛藤を続ける生徒役を本郷奏多が演じている。
その微妙で繊細な揺れを彼も上手く演じていた。
しかしながら、本来重松氏が伝えたいことを、そのまま表現できていたかというと、やや
イメージが膨らんでいないような気がして、重松ファンとしてはやや期待はずれな感も
あった。
話がずれてしまうが、僕の友人の子供が先日担任の先生と喧嘩して登校拒否になった
ことを聞いた。 その友人は会社を辞めたそうだ。 暫くは子供の面倒を見て主夫に
徹するとのこと。 そんなことが身近にあって・・・。 村内先生に3学期はその担任の
変わりに行ってほしいような・・・。 いじめが問題ではなくて、小学生を相手に売り言葉に
買い言葉で喧嘩するような先生はあまりにも未熟というか、未完成というか・・・。