『太陽を盗んだ男』/TV(CS) | 一日一歩、三日で散歩~♪

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まだ慣れないことも多いですが、どうぞよろしくお願い致します。



□監督・脚本 長谷川和彦 
□脚本・原案 レナード・シュレイダー  
□キャスト 沢田研二、菅原文太、池上季実子、北村和夫、神山繁、佐藤慶 、風間杜夫、西田敏行、伊藤雄之助

■鑑賞日 4月25日(金)
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 この作品は1979年に公開された作品だ。
 公開からほぼ30年の年月が流れている。 その年月の流れを感じないほど、
 今観ても斬新な映画で、しっかり引き込まれてしまった。

 リアルタイムで観てはいないのだが、ビデオ化されたときに観て結構衝撃を受けた作品だっただけに、
 先日CSで放送されていたのを録画しておいた。
 
 主人公は高校の理科の教師で城戸誠(沢田研二)ある。 
 反体制的ではないが、生徒にはウケない授業をしながら、日々になんとなく矛盾を感じながら生きている。

 原爆は誰にでも作ることができる。 映画の中で、その動機ははっきり描かれていないけれど、
 唯一の被爆国である最も日本人にとって誰の心にも深い傷跡を残している原爆を作り、
 大都会東京を人質に取るなんて設定が過激かつクレイジーだ。 

 プルトニウムが安易に盗めるかどうかは別にして、放射能漏れも省みず、アパートで原爆を作る様、
 そしてその過程で警察権力への根底にある主人公の怒りと葛藤のようなものが見え隠れする。

 なかでも山下警部(菅原文太)との駆け引きは面白いものがある。 その警察との駆け引きには、
 どこかに黒澤監督の匂いが感じられるし、逃走を図る際のカーチェイスには、まんま西部警察だったし(笑)

 他にも各種の変装が見られた。 それは、おじいさんに変装し催眠ガス使って警官から拳銃は盗んだり(このマヌケな警官を水谷豊が演じている)、
 原発に潜入しプルトニウムを盗むところや、ロープにぶら下がりガラス窓を割って進入するところはルパンばりだったり、
 壁伝いにロープで脱出するところは007ばりだし、女装して妊婦姿で国会議事堂に忍び込んだり、ボイススクランブル(ばれないように声を変える装置)で
 防衛庁長官に脅迫電話入れたり、まるでヒーローのようにラジオ番組に生出演して警察を挑発するなど破天荒だ。

 そういえば、池上希実子扮するディスクジョッキーの沢井(ゼロ)も中途半端な峰不二子風味に描かれていたのは
 監督の趣味だったんだろうか(笑) そのラジオのプロデューサーが風間杜夫だったのにもビックリ(笑) 
 ついでに言っちゃうと、今や高齢化社会の癒しの担い手ハマちゃんこと西田敏行もサラ金の取り立て屋役でしかもチョイ役で出ているからビックリ(笑)
 
 沢田研二はこの70年代、若干のトラブルはあったもののTVで彼を見ない日はないぐらい忙しく活動していた頃だ。
 その彼がもしかしたら大勢を敵にまわすような映画に出演したことに驚く。

 しかしながら、彼の甘いマスク(まだまだこの頃はジュリーという愛称が似合っていた)と原爆犯というそのギャップを狙ったのが当たったのだろうか。

 一方、菅原文太も今はいいオヤジ役やおじいちゃん役が板についているが、このころはまだ『仁義なき戦い』シリーズが終わり、
 次いで『トラック野郎』シリーズの真っ只中で、この作品の山下はその両方を持ち合わせたような刑事に仕上がっていたのは
 そのためだったのかもしれない。 しかしこの年以降彼は出演作が減って、しかもその路線はかなり色合いの違う作品が増えた。

 ちなみにジュリーには会ったことがないが、菅原文太には会ったことがある。


 当時のこの映画のキャッチコピーは、「すべての犯罪者は、かつて平凡な市民だった。」

 僕の大好きなデ・ニーロの『タクシー・ドライバー』にその味わいが少々似ているかも・・・。

 今、この映画をリメイクしても絶対当たらないだろけど(笑)

 この映画の助監督の名前に今は亡き相米慎二を発見。 ん、制作進行に黒沢清? これってもしかして・・・。