ロートレック展

2月28日(木) HP 「ロートレック展」
ロートレックは裕福な貴族の家に生まれた。 しかし生まれつきの虚弱な体質のせいか、少年時代の骨折がもとで両脚の成長が止まってしまう。
ハンデキャップは概して進むべき道を健常者よりも狭められ、それが逆に自分のあるべき方向を健常者よりもしっかりとポジティヴに進もうとするのかもしれない。
彼の写真を見ると、その進むべきが決まっていたかのようだ。 彼は幼い頃からデッサンの才能を発揮していたようで、それがハンディキャップを跳ね返すくらいの道を切り開いたのだと。 選択肢が多いことは幸せなことなのかもしれないが、選択肢が少ないほど、潜在的に持っている才能を開花させやすいのではないか? 彼の絵を見ながらそう感じた。
僕自身は彼の絵より、彼のポスターとの出会いが最初だったし、印象にも残っている。 実際にその実物を目の当たりにすると、まずその大きさに驚いた。 その背景となるモンマルトルの「ムーラン・ルージュ」をはじめとするダンス・ホールやキャバレー、カフェ・コンセール、サーカスなどは実に彼に多大の刺激とカルチャーショックを与えた場所だったことがよくわかる。
日本文化にも興味を持っていたようで、自身の写真の中に着物を着て撮っている写真も見られた。 特に浮世絵には特別の想いがあったようだ。
実はロートレックの代表作のほとんどは、晩年の10数年間に描かれていたという。 選択肢の少なさが導いた才能の発見と、ベル・エポックという時代を背景に築き上げた彼の熟練ともいえる技は、凝縮された時間の中で花が咲いたと言えよう。