『ニュー・ワールド』 | 一日一歩、三日で散歩~♪

一日一歩、三日で散歩~♪

21年間、gooブログでお世話になり、今般アメブロに引越して来ました。
まだ慣れないことも多いですが、どうぞよろしくお願い致します。



一生を変えてしまう愛がある
17世紀初頭、“新大陸”アメリカ
異なる世界のふたりが許されない恋におちた

 



■監督・脚本  テレンス・マリック
■キャスト コリン・ファレル、クリスチャン・ベイル、クオリアンカ・キルヒャー、クリストファー・プラマー、デヴッド・シューリス

□オフィシャルサイト  『
ニュー・ワールド』 

 1607年、イギリスを出航した船が”ニュー・ワールド”北米ヴァージニアに到着する。 しかしそこにはすでに、ネイティヴ・アメリカンの人々が暮らしていた。 船には反乱罪で繋がれていたジョン・スミス大尉(コリン・ファレル)がいた。 ニューポート船長(クリストファー・プラマー)は彼の命を惜しみ、ネイティヴとの交渉役を託す。 しかしスミスはネイティヴの戦士たちに囚われ、処刑されそうになる。 その彼の命を助けたのが王の娘ポカホンタス(クオリアンカ・キルヒャー)だった。 2人は恋に落ちるが、やがてスミスは砦に戻らなくてはならない日が来る。


 おススメ度 ⇒★★ (5★満点、☆は0.5)
 cyazの満足度⇒★★★


 テレンス・マリックは大好きな監督さんだ。 『地獄の逃避行』、『天国の日々』を撮った後、20年間沈黙を守っていた彼が、1998年にあの『シン・レッド・ライン』で再びメガホンを取り、それから7年の年月を経て、今作品を作り上げた。 今でも作品を発表する度に注目を集め、多くの俳優たちが出演を願うという監督だ。 

 前作『シン・レッド・ライン』はマスコミ試写会で日本で初めて観た作品だった。 主演のジム・カヴィーゼルも試写会の後、ステージに登場したが彼も全く無名の役者だった。

 あの悲惨な戦争をテーマに据えながらも、叙情的にかつ豊かな映像表現と人間愛をもって僕たちを魅了してくれた。 戦場におかれた戦士とは別に、自然の中での風の匂い、緑の声、何もかもが鮮やかな自然の姿を映し出していた。 かつてこれほどの美しい戦争映画はあっただろうか。 今作も、自然の風を体一杯感じさせる彼の独特の映像手法は健在だった。

 主演を演じるコリン・ファレルは一時、かなり天狗になっていた時期があった。 でもこの作品の微妙なタッチをよく捉えて演じていたと思う。 

 ネイティヴ・アメリカンの酋長の娘ポカホンタスを演じる新人のクオリアンカ・キルヒャー。 なんと彼女は15歳(映画撮影当時)である。 セキゾチックな匂いのする女優は二人の男の愛の重さと種族の長の娘でありながら、その人生のチョイスを彼女の人生に今までなかった新しい世界に委ねる選択をすることになる。 
 彼女自身がネイティブ・アメリカンであり、それをまた自身も誇りに思っているそうである。
 自然を大切に地と共に育ってきた彼女が、その自然を破壊する人の世界に足を踏み込んでいく。 二人の男の間を揺れ動く彼女は、それまで信じる心しかなかったが、新たな猜疑心が生まれてしまった。 まさに映画のテーマである“ニュー・ワールド”は彼女にとっても大きなニュー・ワールドになった。

 意外だったのはクリスチャン・ベールのかっこよかったこと。 あのバットマンでケチがついてしまったが、この映画の役柄はポカホンタスをひたむきに愛する優しい男であった。 この役にまさに彼の優しい瞳はピッタシだった。 今後もしかしたら彼のラブ・ストーリー物が観れるかもしれない。 

 前作の『シン・レッド・ライン』に比べると僕的にはやや焦点がずれているような感じも受けたのだが、国の始まりなんてこういう解釈になってしまうのではないだろうか。 種の起源も人の起源も・・・。

 ただただ川の流れや岸辺に佇む木々の姿、森林等々、それはまるで自然を犯し続けてきた愚かな人間に対する監督のプロテストとともに懺悔の気持ちを表しているかのようだ。