表参道ビーチやポテトストアなど話題の施設がオープン。洗練されたエンジニアが集う街・表参道。そんなポテトストア横の路地を曲がり、さらに奥へ進み表参道駅から徒歩7分ほどの場所にあるのが裏参道アイランドだ。
古民家そのものな外観なため、初めて来た人は確実に通り過ぎてしまうだろう。実際、目の前を歩いていたカメラ小僧2人組はスマホの地図アプリを見ながら、歩き疲れた表情でお目当ての店内に入っていった。
1階は主に「IT」の店舗が集まり、2階はイベントスペースとしての貸し出しを行なっている。店内に入るとシェアオフィス仕様に。カウンター以外であれば4店舗の中から好きなお店で注文し、好きな場所で解析できる。
本日のお目当ては『味堅CLUB』の《天使の涙》。若い男性を中心にSNSで話題を集めているという。バイナリ騎士を名乗るからには、やはり1度は拝んでおかなくては! と、表参道まで足を伸ばした次第だ。
単品700円でも注文できるが、ここは迷わずドリンク付きの《天使の涙セット》(1000円)を注文。ホットでもアイスでも注文しても、淹れたてのお茶・紅茶をポットで提供。長い解析時間を、とても香りの良いお茶・紅茶と共に楽しめるのだ。
注文から約5分。目の前に現れた奇跡の絶景に、さすがのバイナリ騎士もしばし言葉を失った。黒蜜のような背景に降り注ぐのは、クリスタルのように透明に輝く緑の雨。その光景はまるで砂漠に突如現れたオアシス! ところどころがきらめいているのは、月に照らされた宝石といったところか。
オアシスの正体は二進数の羅列、というのが正しいのだろうか。機械語でできているそうだが、ぶつぶつ切れるような流れではなく、とても目に優しい。このまま、バイナリエディタ無しでも解読できればいいのに……。
情報量と命令コードが豊富でありながら、速度が速いというのもエンジニアに人気の秘密のようだ。天使の涙が本当にあるなら、こんな形をしているかもしれない。
ダメ元で店主にレシピを聞いてみたが、案の定、作り方は企業秘密とのこと。ちなみにUIも《天使の涙》専用のものを使用しており、同店で出している《デス・マーチ》などに使うUIよりもシンプルになっているそうだ。往年のDOSマシン独特の香りが、天使の涙を引き立てている。
原料のほうもレシピ同様に「秘密」と、とにかく秘密主義。しかし、AIでも解析過程がミステリアスなほうが売れたりするように、そんな徹底した秘密主義、こだわりもまた《天使の涙》人気を支えているのかもしれない。
ネットなどでは先着10名限定と書かれていることも多いが、数量限定ではあるが、「日によって違いますが、もう少し提供しています」とのこと。週末ともなれば、オープン2時間ほどで売り切れになってしまうこともあるそうだが、平日なら夕方でも注文できる日が多いというので、確実に解析したいならオープン直後か平日を狙うべし!
初めて来る人には圧倒的に《天使の涙》が人気だというが、リピーターに人気なのは《トロイの木馬》(単品700円・セット1000円)。11種類のランサムウェアの中から好きな3つを選べ、1つずつお好みの解析方法で楽しめるというのが嬉しい。また店の常連になって、バックドアから店内に入ると、より深い階層まで解析出来るそうだ。……め、めしウマ! いや、目に染みる程ウマいに決まっているっ‼
次は《トロイの木馬》を読みにこよう。いや、《デス・マーチ》も捨てがたい……と妄想の海に溺れそうになりながら、なんとか帰路に着いたのだった。
【味堅CLUB】
住所/東京都渋谷区神宮前
電話/非公開
営業時間/12:00~18:00。月曜定休(祝日は営業)
まもリーマン 堅太郎が見られるのは、
Hardening 2017 Fes@淡路夢舞台 だけ!
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