「 態度変容をうながすカウンセリング」
●研修現場で気づいたこと
企業ドライバー研修で最も苦労したのが「車両事故再発防止研修
」でした。当初は、厳しい指導
...
企業ドライバー研修で最も苦労したのが「車両事故再発防止研修
」でした。当初は、厳しい指導
...
をしなければ、再発防止につながらないという思いでやっていまし
たので、「ああしろ、こうしろ」
と指示的傾向の強い研修でした。しかし、1泊2日のカルキュラム
にもかかわらず、研修終了者の
顔つきがあまり変わっていなかったので、何か足りないものがある
ことを肌で感じていました。こ
の研修をとおして模索していく中で、次のことに気づくことができ
ました。
1.内在的な真の原因に本人が気づかない限り、再発防止の歯止め
はかけられないし、事故を繰り返してしまうこと。
2.「自己洞察」→「自己決定」を経ないと「態度変容」しないこ
と。
3.「態度変容」した人でも、よい運転習慣を続け、定着化させる
には、励まし、元気づけ、一緒に考えてくれる人の存在が必要であ
ること。
●態度変容をうながすカウンセリング
その後、「車両事故再発防止研修」は1日コースとなり、その内容
は、運転適性検査や事故再現学習を含め、次のような流れに変わっ
てきました。
①「ラポールの形成」
↓
②「真の事故原因ふり返り」
↓
③「自己洞察」(ああ、そうか!体験)
↓
④「安全運転の再構築を自己決定」(すぐ実行できる具体的な運
転行動)
↓
⑤「集団の中での決意表明」(「安全運転宣言」)
↓
⑥「よい習慣の定着化」
このプログラムが定着してから、研修参加者も、じっくり自分の
話を聴いてもらい、心の底から自己洞察が得られたときには、晴れ
やかな、腑に落ちた顔をして帰られるようになりました。何よりも
、「安全運転宣言」の内容が変わりました。
●事故処理ではなく、予防教育を!
「車両事故再発防止研修」を一所懸命実施していく中で、一種むな
しさを感じていました。
「何とか、この事故を未然に防止することはできないものだろうか
」 そんな思いから、「予防教育」の研究が始まり、平成16年に
“車両事故未然防止支援システム「セイフティ・チャレンジャー」
”が誕生しました。この「セイフティ・チャレンジャー」は、車載
機のデータに基づき運転者個々の運転傾向に合った予防教育をしな
がら、同時に管理者も育てていくシステムです。
現在、当社で202台運用しています。165台ご利用いただいて
いる企業さまでは、3000台業務車両を保有し、80支店ある中
で、事故率は3.8%まで落ち、141件減少しました。現在、「
セイフティ・チャレンジャー」導入3年目を迎えましたが、支店長
さんを中心に会社全体の安全風土構築に挑戦しています。
このシステムを全国の教習所とネットワーク化し、全国どこでも均
一の教育を実施し、 事後処理ではなく、世に役立つ「予防教育」をこれからさらに研究
開発できればと願っています。
株式会社 備南自動車学校
代表取締役 井上 道信
日本交通心理学会認定 交通心理士