長い不妊治療の末に、やっと恵まれたその子は、その花が咲く季節に産まれたからその花の名前をつけてもらった。
色白でほっぺがぷくぷくでスベスベで睫毛が長くってフサフサの真っ黒い髪。
愛くるしい女の子。
ある日、コホンと咳をしたので病院に連れていったのだが、あれよあれよという間にみるみる悪化してしまい、本当にハラリと命を落としてしまった。
生後6ヶ月の、昨日と変わらない日が訪れるであろう今日、時間が止まった。
どうにもならないこと
理不尽なこと
が、たまに起きてしまうという現実。
しかも、自分にそんなことが降りかかるなんて想像だにしなかったことが目の前で勝手に繰り広げられていく。何が起きているんだろう。。。
産まれた日
1ヶ月
2ヶ月
3ヶ月
4ヶ月
5ヶ月
6ヶ月
7枚の写真を全て遺影に選んだ母。
これだけじゃない。これだけが娘の全てではない。
24時間180日余り、この胸で娘の鼓動を感じ呼吸を感じ温もりを感じた日々。
お願い、わかって。
娘と過ごした時間はこれだけじゃない。
生後6ヶ月。
娘と会話した訳じゃない。
言葉にして伝えあった訳じゃない。
でも、一方通行だったことは一度もない。
お願い、わかって。
その季節に咲く花は。
時が巡り、いまはどこにも咲いていない。
けれど、その花の一字を含む別の花がある。
せめて、その花をを飾りましょう。
その花でいっぱいにしましょうね。
ゆらゆらと揺らぐその花は、7枚の遺影写真を静かに囲み幼い命の旅立ちに寄り添った。
わたしはあした死んじゃうかもしれないけど。
あなたのこと、ワスレナイヨ。