倉敷のみどころは、なんといっても美観地区を通り抜けて、どんどん歩いて行ったあたりに、フツーに建ってる白壁の土蔵のあいだの細っそい道。

もちろん補助金が出て補修などしてるけど、観光客でゴチャゴチャの美観地区うろうろするよりよっぽどいい。

ほんまは、ひとっ子ひとりいない夜中に、犬がばうばう鳴いてたりして、道に迷って帰れなくなったりするのがいいんやけど、これは旅行者のかたにはちょっとハードかも。

アイビースクエアのとなりに倉敷市民会館ってあるんやけど、そこでは若きころのビンがときどき講演してたとさ(あ・・・これってただの自慢なんすけど・・・えっへん)

で、倉敷でよい旅館といえば、旅館くらしき。

じつはここのおかみ、同級生だったりした。・・・けど、出戻った(汗)

一年大学休んで本気でジャズボーカリストになる修行したりラヂオで番組持ってたりしたんやけど、旅館の御曹司に認められて玉の輿。けど、すぐ「こんなとこにいられるかい!」って帰ってきてしまった。

あー・・・ワタシは何のハナシをしてるのだ?

いっぺんライヴ聴きに行ったと思うけど、「あ、オレのほうがうまいやん」やった・・・ってまた自慢したかったのさ。えっへん。その年、シャンソンの金子由香利の前座でステージやらない?ってスカウトされて、ほんまに迷った。

事務所の前まで行ったけど・・・入れへんかったな。
入ってても、人生変わらんかったかもしれんけど。ま、そんなもんやね。

え、っと(ゴホン)

その、旅館くらしきの裏手(商店街を出たとこと)に鶴形山ってあって、ちいさな山なんやけど、ここにのぼると倉敷の市内が見下ろせる。さすがに瓦の波ばかりではなくなってしまったのだけど、ほんまにいい。

あ、そうそう。そのすぐ下の倉敷市民会館に中島みゆきが来たとき、聴きに来た客が路上駐車してたので、救急車が通れなくって、救急車呼んだおじさんがコンサート会場に「車どけろ!!」って怒鳴り込んできたことってあったな。

ぼくは、コンサートに行ってた人を鶴形山などうろうろしながら待ってて、そのあとに話聞いたのだけど。

大原美術館は、現代館がいい。もちろん、カレーの市民に両脇固められた(カレーの料理人でもいいと思うけどな)本館もいいけど、で、本館見てすぐ帰ってしまう人が大半らしいけど。

で、さらに奥まった茶室(ってか、日本家屋ですなあれは)の縁側から、ちっこい庭をぼんやり見てると、なんかね、「くらしき・・・」って感じする。

たぶん、ちょっと昔の家ならば、どこでもしたんやろけどね。けど、すぐ向こうに美観地区の喧騒があるなんて信じられなくって、いい。

あとはね、倉敷って、(雰囲気がそうなのかもしれんけど)ふらっと入ったなんてことない喫茶店で、けっこうおししい飲み物出してくれたりする。そういう店も、美観地区からちょっと離れたところにあるような気がする。

ほんまはね。倉敷は郊外がいい。その昔、中国山地からの水運で栄えた高梁川(たかはしがわ)をずーっとのぼっていくと(歌人の和歌山牧水が「幾山河越えさり行かば寂しさの絶えなむ国ぞ今日も旅ゆく」の歌を詠んだり、与謝野晶子が来て詠んだ歌から名づけた鍾乳洞があったり、田山花袋の「蒲団」に描かれる町があったり・・・)、とってもいいですよ。

日本でいちばん高いところにある城の町・高梁は、大学ができてちょっと騒がしい町になってしまったけど、ぼくはほんまに大好きです。

倉敷から南に向かうなら、高松との連絡線が廃止されて盲腸路線になってしまったけど、ちいさな水族館と海水浴場のある玉野の周辺の山々は、ちょっとすごい。

ぼくは、日本の山の山容のおもしろさは(つまり形成した溶岩の粘土と年数は)四国と九州北部に尽きると思っているのだけれど、(もちろん形成過程が四国と同じだったから)岡山南部の山の姿は、とてもおもしろい。

ま、それは四国にわたってからじっくり見ていただくこととして・・・