料金不払いが続いている、という。

もちろん、その直接の原因は、NHK職員の不祥事の続発だ。
不祥事というより、犯罪と呼ぶべきものも少なくない。
12月5日現在で、7月以降に発覚した主なものだけでちょうど10件。
それらの中には、

①92年~01年(外部発注架空請求1240万円)
②93~97年(取材経費水増し請求4400万円)
③97~01年(流用・不正支出4890万円)

など、長期に及んだ、確信犯的なものも目に付く。
それも、①③が最終的に懲戒免職に落ち着いたのに対して、②は当初の厳重注意を後から停職6ヶ月に改めるなど、NHKの姿勢は曖昧で鈍かった。

磯野元チーフプロデューサーの逮捕を受けて昨日の海老沢会長の謝罪につながった、制作費着服問題(③)が発覚した7月20日から、9月15日までで約17000件にのぼった受信料支払い拒否・保留件数は、海老沢会長の参考人招致中継拒否によって9月末には約31000件になったという。

それが、10月末には約66000件、
そして、11月末に約113000件となって、
まだとどまるところを知らないというのが、各メディアの伝える現状だ。

支払い拒否・保留件数は、2ヵ月ごとの公表であるため、現時点で確定値は出ておらず、何もコメントできないというのがNHK経営広報部の「話」であるという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041202-00000009-mai-soci

不払い?
それはなに?
というのが、ぼくの印象だ。

それは筋違いというものだろう。
まず、NHKに抗議の姿勢を示すのであれば、それは「NHK視聴拒否」であるべきであって、「受信料不払い」ではありえない。

ただし、それも迂遠な理由でしかありえない。
「NHKを見ていないから、受信料を支払わない」というのは、本当に見ていまいがこっそり見ていようが、受信料不払いの理由にはならないからである。
現在の受信料制度の一般的な解釈では、「家」に1台のテレビがあれは、受信料の支払い義務は発生するのである。
そして2台目からは発生しない。

しかし、もうひとつの問題は、日本の場合、公共放送であるNHKの視聴料を払わなくても現実に見られるし、さらに罰則規定がないということだろう。イギリスの場合、BBCの視聴料不払いには、罰則が適応される。
そのような、きわめて曖昧な日本の受信料制度は、衛星放送の有料化やデジタル放送の登場(TV受像機以外でも受信可能)によって揺れており、今後も「受信料不払い」が拡大するならば、それはゆくゆく自分たちの首をしめる可能性を限りなく拡大しているということを、便乗不払いに走る人たちは、覚えておいたほうがいい。

もちろん、「どうせ見ないから、だったら有料のほうがいい」という意見も、「さらなる高度な映像や番組制作のために、適正な受信料制度(罰則を含む)の制定を望む」という意見も、ありうるだろうけれど。

ぼくは、ほんの一握りの異端審問を騒ぎ立て、受信料支払いを拒否するくらいならば、このまま払う。
(ただし、地上波を使った、節度ないNHK衛星放送のCM分だけは、払いたくないのだが、それはまた別の問題だろう)

理由はひとつ。
NHKの番組づくりに、一定の信頼を置いているため。
たまたま、NHKと民放の番組づくりの舞台裏を、いずれもいささかは知っているので。