「何か問題が起こる。その解決策を探る。そのとき、すぐに頭に浮かぶ考えというのはすべてといっていいくらいエゴや欲望や感情に基づくものだ。よほどの聖人君子でないかぎり、善悪による判断を直観的に下すことはできない。だから、最初の思いつきをそのまま結論にするのではなく、「ちょっと待てよ」と、いったんその判断を脇に置き、善悪のものさしにしっかり照らして、改めて問題を考え直してみる。誤謬なき決定のためには、そのようなワンクッションが必要なのだ」
(中略)実際、「こうしよう」ととっさに脳裏に浮かんだ判断の誤りにあとから気づくという経験は、(中略)いくらでもありました。
そのように的確な判断を下すときに必要なのは、(中略)心の中に判断のものさしとなる「善悪の規範」をもっているかどうかなのです。
では、その「善悪の規範」はどこからくるかといえば、それは心の奥深くにある「魂」からです。
(稲盛和夫著「心」152-153ぺージより抜粋)
稲森和夫氏の著書(考え方)には、啓蒙される言葉がたくさんあり、生きてゆくうえで指針となります。京セラを一代で築き上げただけでなく、JALの再建、KDDIの設立と、大事業を成し遂げた背景には、稲森氏の「利他の心」を実現するための熱意と努力があったのですね。