美メロのコード進行イメージは下記のようになる。

 

【初回】
予測 → 意外性 → 解決(着地) ⇒ 切なさを生む
【2回目以降】
期待 → 到来 → 快感 ⇒ 記憶に残る(口ずさむ)

 リスナー側からのみた時系列は下記のようになる。


 音を聞く → 脳が次を予測する → ほんの少し裏切られる →
 「おっ」と感じる → 解決(着地)する → 快感が生まれる → その音に感情が結びつく → もう一度聴きたくなる → 記憶に残る →「美メロを感じる」

 

 ここで、もう一つ大事な観点がある。リスナー自身の人生経験である。

 

同じBabyface「When Can I See You」でも……

20歳:

「なんて綺麗なラブソングなんだろう」

40歳:

「……この気持ち、今なら分かる」

経験値が上がるとこの曲の「間(余白)」がジーンとくるのである。

 

 

 メロディそのものに変化が起きたのではなく、メロディが呼び起こす意味が変化したわけである。つまり、同じ音源なのに、起こっている現象が異なるわけだ。

 このように、美メロとは、作り手が設計した“感情を動かす可能性(装置)”を、リスナーが自分の経験によって完成させていく音楽体験なのかもしれない。

 

 また、Aさんにとって美メロでもBさんにとって普通のR&Bということもある。リスナーの共鳴がないと成り立たない。

 

『作曲家・演者 × 楽曲 × リスナーの共鳴 × 時間(経験)』の縁でその人の『美メロ』が現れる!

10人居たら10通りの美メロがある。

 

【美メロの定義】

 美メロとは音楽に内在する美しさだけではなく、音楽の作り手と聴き手の関係性の中に共鳴が起きた時に立ち現れる美しさのことである。

 美メロの発案者の松尾潔(KC)さんに感謝の意を添えて・・・