アガサ・クリスティーの
『そして誰もいなくなった』を読んだ。
ネタバレはせず感想を書く。
結論としては、寝るのを忘れるほど
楽しい買えばハッピーな本だった。
ネタバレなしといえど
『そして誰もいなくなった』って書いてるからね。
全員おらんくなるやないかと、大体思うよね。
ミステリー初心者の立場からすると
「え、全員いなくなるなら犯人はどうなるの!」と
新鮮な思いで読み始めることが出来たので、
タイトルの時点で気分は高まっていた。
ただ、値段は文庫本にして1,650円。
高いので、その点において若干気分は下がった。
海外文庫は値段が高いらしい。
登場人物は以下の通り。
◆登場人物◆
ロレンス・ウォーグレイブ:元判事
ヴェラ・クレイソーン:体育教師
フィリップ・ロンバード:元陸軍大尉
エミリー・ブレント:老婦人
ジョン・マッカーサー:退役将軍
アンソニー・マーストン:青年
ウィリアム・ブロア:元警部
トマス・ロジャース:執事
エセル:執事の妻
共感してくれる人は一定数いると思う。
これを見た率直な感想は
<名前覚えられるかな……>だった。
焦りを覚えて、まずは半分ずつ名前を
覚えようと決めた。
<ロレンス……元判事>と。
そして意を決して迎えた一文目は
「ウォーグレイブ判事はー」から始まり、
一度本を閉じた。
2分の1外して覚えとるやないかい。
久しぶりに怒った。
実際は表紙の内側に登場人物の一覧があって、
すぐ確認が出来るので困りはしなかった。
名前を覚えることが苦手な人は、紙で買うと良い。
表紙も可愛らしく、要チェックや。
あらすじはこう。
◆あらすじ◆
職業も年齢も異なる十人の男女が、兵隊島の屋敷に招かれた。
だが謎の招待主U・N・オーエンの姿は島にない。
やがて彼らが夕食の席につくと、十人それぞれの
過去の犯罪を告発する不気味な声が響く……
脱出不能な島で裁きが始まった。
童謡の歌詞になぞらえて一人また一人と
殺されてゆく!
あらすじを書いた人も本作が大好きなように思う。
「殺されてゆく!」って、もう書き手の熱気を
感じるもんね。
実際に読むと、確かに「殺されてゆく!」
という気持ちになった。
気を付けてほしいのは「殺されてゆく!」
という展開以降は
読み終わるまで寝ることが難しい。
そこは各自で調整しながら読み進めて欲しい。
感想に入る。
まず、この作品があってこそ生まれた名作が
沢山あるようで、そういった源泉のような
作品を最初に楽しむことが出来て良かった。
実はこの後に『十角館の殺人』を読み、
確かに本作をじっくりことことした
出汁がしみているような内容だった。
『そして誰もいなくなった』を読んでから
『十角館の殺人』を読んだほうがいいと
情報が流れているミステリー界隈は
とても初心者に優しい。
確実にその順番で読んだほうが面白いので、
そういった意味で古典的な作品から読むことは
良かったと思う。
また、本作は基本的に三人称神視点で話が進む。
三人称神視点と言っているのは、地文が一人称で
ないカメラ視点かつ
各人物の感情が地文に適宜入るものと思っているが、用語として合っているかは分からない。
ただ、誰かは分からない形でそれぞれの心の声を
羅列する箇所が一部ある。
すると、急に読み方が変わり
<これはいったい誰の心の声なのか……>
<これはあの人だろうから、シロなのかな……>
といった気持ちになる。
緩急というか、分かりやすく読者側に考える余地が与えられて楽しかった。
落とし穴なのか、あえて言うまでもないテクニックなのかは分からないが
こういった部分を素直に楽しむことが出来るのは
初心者の特権かもしれない。
あと、他の小説がどうかは分からないが無駄な描写や変に洒落た表現がなくて読みやすい。
色々小手先の感想を書いたが(本音ではある)、
一人また一人「殺されてゆく!」と
もちろん容疑者が減るわけで、その中で考えていた犯人の予想が裏切られたり、
人数が減るごとに緊迫感が増している様子を感じることがエンタメとして
とても楽しい体験で、ミステリいいね!
となったことが一番素直な気持ちだ。
ネタバレを控えた感想としては以上。
とても素敵な作品だった。