僕がメジャー・デビューしたのが1989年1月25日。
そのすぐ直後に、作家の片岡義男さんの紹介で出演したのが、細川俊之さんが当時パーソナリティーを務めていらしたFM東京(現在はTokyo-FM)の『ワールド・オブ・エレガンス』でした。※厳密には、片岡先生がパーソナリティーを務めていらした『気まぐれ飛行船』の担当ディレクターの柘植さんという女性が細川さんの番組の担当でもあったことからのブッキングでした。
細川さんも大のエルヴィス・ファンで、エルヴィスが亡くなったとき、「細川さんがTVKの『ハウディー・カントリー』というテレビ番組で<マイ・ボーイ>を歌う姿を拝見しました」と伝えたら、とても親近感を持って接してくださり、台本にはない、ご自分が皿洗いのバイトをしながら、将来役者としての成功を夢見ていた時代の話なども織り交ぜながら、デビューしたての僕を励ましてくださった、そんな思いやり溢れる、とても優しい方でした。
収録中に細川さんのお腹が鳴って、調整室にいらしたディレクターの柘植さんから、
「細川さん、今、お腹が鳴りましたよねえ?」
と声がかかると、
あの低音の美声で、
「ええ、鳴りましたねえ」
と微笑んだ細川さんの優しい笑顔が今も忘れられません。
個人的にお会いしたのは、そのたった一回でしたが、とてもフランクに接して頂いたことに心から感謝しています。
謹んでご冥福をお祈りいたします。