今回は山田君です。
山田君は星野君とレフトのポジションを競っていました。
長距離も短距離も速く、ベース・ランニングも脚が長かったから、そりゃあ、かっこよかったです。
ただ外野手でありながら、フライが苦手という致命的な欠点がありましたが…。
山田君で最も印象に残るのはバレンタインデーであります。忘れもしない。あれはお互いが野球部のOBとなった高校1年の2月14日。
彼とは帰宅方向が一緒だったので、良く一緒に下校していたのですが、この日の帰り道、まず赤坂見附の駅で山脇学園の女の子が恥ずかしそうに彼にチョコレートを手渡したました。
そして新橋駅では別の女子高の生徒が「あのう、これ受け取ってください」って、またチョコレートを。
えっ、何で今日はこんなにチョコレートを?それも山田にばっかりに?あれっ、僕には?………。
そしたら、また全然別の女子高の子が山田にチョコレートを差し出すではありませんか。
さすがに面白くなくなって、山田に、
「何でお前ばっかりこんなにチョコレートをもらえるんだよ?」
って、聞いたところ、
「何だ、諸川は知らないのかよ?今日はバレンタインデーと言って、女が好きな男にチョコレートを渡す日なんだぜ」
と。
その誇らしげな顔は40年近く経った今も忘れません。
中学・高校と女性とはまったく縁がなかったビリーオヤジは、ひたすら山田にヤキモチを妬きながら、この日、帰宅したのであります。
そして翌年、翌々年と2月14日は腹痛を偽って学校を休んだビリーオヤジでありました。
余談でありますが、こんなワタクシに生まれて初めてチョコレートをくれたのは、当時のバイト先の掃除のおばちゃんでした。ビリーオヤジ19歳のバレンタインデーでありました。