家族揃って、とてものんびり充実した時間を過ごせたゴア旅行。
西インドのムンバイまでしか南下したことがなかった私にとっては、
初めて南インドの空気に触れ、北インドとの違いに驚かされっぱなしの旅だった。
1510年から451年間、ポルトガルに占領されていたゴアは
キリスト教徒が多く、至るところに教会があり、
人々の服装や習慣もどこかヨーロッパ的だ。
北インドではパンジャビ・スーツやサリーを着ている中年女性が多いのに対し、
ゴアの中年女性は西欧風のワンピースを着る習慣があるようだった。
ポルトガルに行ったことはないが、
家の建築様式や町並みもデリーとは全く異なっており、
ポルトガルの昔の町並みはこんな風だったのかと想像できた。
また、一番驚いたのがお酒文化の違い。
前回のブログにも書いた通り、デリーでは公共の場で
お酒を飲むことは法律で禁じられているし、
酒屋もなんとなく奥まったところにお店があったり、
買ったお酒を見えるように持ち歩いている人はほとんどいない。
ヒンドゥー教やイスラム教の教えが影響しているのだろうが、
飲酒はご法度か、少なくともあまり自慢できることではなく、
お酒を飲むことは後ろめたいことという雰囲気がある。
(それも最近のデリーでは少しずつ変わってきてはいるが)
宗教にまつわる祝日はドライデー(禁酒日)とされ、
酒類の販売は一切禁止となる。
それに対し、ゴアはお酒に対して極めてオープンな印象を受けた。
街の至るところで堂々とお酒が売られているし、
ワインやビールの大きな看板などもよく見かけた。
またインドでは州によって税率が異なるので
お酒の値段も州によって違うのだが、ゴアはとにかくお酒が安い。
デリーと比べても同じ銘柄のビールが3~4割ほど安く売られていた。
公共の場でも飲酒はOKだし、
むき出しのままビールを持ち歩く人も珍しくなかった。
かなりざっくりとした印象ではあるが、
人の感じも、北インドに比べて穏やかだ。
街でもあまり厚かましく話しかけてくる物売りもいなかったし、
どこか物腰もアーリア系の北インド人に比べると穏やかな気がした。
ともあれ、北インドに比べて大小、様々な違いがあったゴア。
まるで海外旅行にでも来たような気になるくらいの雰囲気の違いに、
インドという国の広大さと多様性を見せつけられた。
そしてゴアのきれいな空気や自然の豊かさにすっかり魅せられた私たち。
移動中の車から見えるヤシの木の森林と田園風景は本当に美しかった。
大気汚染がひどいデリーでは車の窓を開けられないが、
ゴアでは窓を全開にしてさわやかな風を受けながら車に乗っているのが
とても心地よかったし、誠一郎も身を乗り出して
気持ちよさそうにドライブを楽しんでいた。
デリーに帰るのがとてもイヤになってしまった今回の旅行。
また違うインドの顔を見に、いろいろなところに行ってみたいという気持ちが
より強くなった、忘れられない旅になった。



