数日前、夫-寅二郎が仕事帰りに花束を買ってきてくれた
いつも通り、夜11時近くの帰宅だったが、
近くの花屋がまだ開いていたらしい。
デリーの花屋は、なぜか割りと遅くまでやっている。
うちの近くにある、よく行く花屋さん。
仕事が丁寧で感じもよく、とても気に入っている。
こちらの花屋は、花や葉っぱに装飾を施す。
葉っぱに銀色のスプレーをかけたり、
寅二郎が買ってきてくれた花にも、
日本で言うキラキラの「ラメ」が振りかけてあった。
日本人の感覚としては、
そのままでもいいんじゃ・・・
と思うのだが、花屋さんも良かれと思ってやってくれているので、
寅二郎も、そのままインド流にしてもらったのだろう。
こういう感覚や美的センスの違いは、おもしろい。
花束のエピソードと言えば、
この前、夜にオート(三輪タクシー)に乗ったときのこと。
ラメシュさんちに行くために、家の近くでオートを拾おうとしていた。
最初につかまえたオートに
「○○まで」と、ラメシュさんちの場所を伝えると、
「ダメだ」と、首を横に振られてしまった。
ラメシュさんちはオートだと30分くらいかかるので、
あまり近くはない。
少し遠かったり、オートワラー(運転手)にとって
ルートの都合が悪かったりすると、断られることもしばしば。
でも夜だし、またオートをつかまえるのも面倒なので、
「なんでダメなの!?兄さん頼むよ~~」
と食い下がると、オートワラーは
私には分からないヒンディー語でしゃべりながら、
ハンドルのところを指差した。
するとそこには、小さな花束が置いてある ![]()
「ああ~~そうかそうか!OKOK!早く帰りなよ!!」
と、私はとてもうれしい気持ちになって、
そのオートが走り出すのを見送った。
収入は多くなく、決して暮らしは楽ではないであろう、オートワラー。
それでも、奥さんか、娘さんか、誰か大切な人のために
花束を買って、今日はあまり遅くならないように帰ろうと思っていたのだろう。
そのこと自体はとても小さなことだけど、
少ない給料の中から花束を買って早く帰ろうという、
そのオートワラーの温かさが、いつも帰りが遅い寅二郎を
一人家で待っている私の心を温めた。
その花束を受け取る人の顔を思い浮かべて、
さらにうれしい気持ちにさせられた。
仕事の状況から言っても、早く家に帰るのは難しい寅二郎が、
疲れた帰り道で花屋に寄り、花束を買ってきてくれたのは、
とてもうれしかった。
家族や、誰かを大切に思う気持ちは、世界共通。
それを受け取る側のうれしさも、世界共通だと
実感した瞬間でした。


