母と娘のバイリンガル俳句ブログ(mother/daughter bilingual haiku blog)

母と娘のバイリンガル俳句ブログ(mother/daughter bilingual haiku blog)

母が日本語で作った俳句を娘が英語に「翻訳」しています。

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リラ咲くと 聞けば懐かし 駅通り


Lilacs bloom back home.
Many memories flow forth
Of that station road.


これは母の北海道恋歌シリーズの一つです。


小学生の時に教科書で読んだ「山椒大夫」の最後に年老いた安寿と厨子王の
母が雀を追いながら


安寿恋しや ほうやれほ
厨子王恋しや ほうやれほ
鳥も生あるものなれば
疾う疾う逃げよ 追わずとも


と歌ったのを思い出します。


母は北の大地が恋しい、ほうやれほ、と歌っているのです。

今回は音楽関連の俳句をまとめて5つご紹介したいと思います。


このブログのタイトルにmother/daugherとありますが、英語に


LIKE MOTHER, LIKE DAUGHTER


という言い回しがあります。


同時に


LIKE FATHER. LIKE SON


というものもあります。


似たもの親子とか蛙の子は蛙、などという訳が付いていて、良い意味にも悪い意味にも使われる

ようです。



母は俳句の他、絵画や音楽、ダンスなどにも情熱を傾けていて、その血が私にも流れています。


特に音楽が好きで、ジャンルとしては黒人音楽一般(ジャズ、R&B、ブルース、ヒップホップ)の他、ポルトガルのファド、そして一部のポピュラー(故ジャニスジョプリン、エイミーワインハウスの歌)などです。



サンバ唄う アダモの夜や 露しとど


遠き日の白蓮のうた 李香蘭


八十路にて 洋一うたう 恋の唄


惜春のうた 流れゆく 夜の川


足ぶみの オルガンありき 聖五月







母は北海道の余市で生まれました。 


現在の人口は2万人強です。市だと思っていたら町でした。


「余市」というウィスキーがありますが、母の生まれ故郷なので何となく親しみとなつかしさを覚えます。


馬の産地でもあったそうで、馬の鑑定、売買をする馬喰(バクロウ)という職業を知ったのも母を通してです。


北海道と聞いて私が真っ先に思い浮かべるのはラーメンとニシン漬けです。


ラーメンは今やニューヨークでも大人気ですが、私が今までで一番美味しいと


思ったのは小学校の時に小樽の「来々軒」で食べたしょうゆラーメンです。

子供心によほど美味しかったと見えてまだその名前を覚えています。


母のお得意のニシン漬けについては話が長くなるので、余市は江戸時代から大正時代にかけてニシン

漁の主要港のひとつだったと記すに留めておきます。


そう言えばニシン御殿というのも聞いた事があります。



ではこの辺で母が子供時代を過ごした北海道についての句をご紹介します。



小樽運河 歴史をきざむ ガスライト



黒百合の唄流れ来る夏木立



北大のポプラ並木や夏来る









前回に続き、樺太(サハリン)の俳句です。


母は、樺太にいい思い出はない、行きたいとも思わない、と言っていますが、いまだに戦前の面影を

残すというユジノサハリンスクに行けばなつかしいと思うのですが....



霧匂う サハリン遠し 一世紀



サハリンに十年住みて熊祭



オホーツクに浜昼顔や 風渡る




ちょっと英訳してみます。


I recall the smell of the fog in Saharin over a century ago


I've lived in Saharin ten years , I remember there was a Bear Festival

Breeze from the sea of Okhotsk blowing through the False bindweed 

サハリン、なじみのない場所ですね。


私の母が子供の頃一時住んでいた寒い寒い場所です。当時は樺太と呼ばれて日本の領土でしたが

今ではロシアの領土になっています。



サハリンは遠しまつ毛につらら垂る


まつ毛につららが垂れるぐらい寒いところだったんですね。母の話ではしょう油が凍ったとかおしっこが

凍ったとかいう話でした。ホントかな?


遥けきもサハリン遠しツンドラを踏みて登校せし小四なりき



そんな寒い寒いところの小学校に母は通っていたんです。私が小学校の時には、岩手県で、東京とは

比べ物にならないぐらい寒かったのですが、世界にはもっともっと寒いところがあるという事です。


朝起きるのがつらくて台所にとりあえず洋服を抱えて行ってまきストーブのそばにうずくまっていると「すびたれ!」と叱られました。よくわかりませんが多分根性なし、とか軟弱なへなちょこ、とかいう意味だったのだと想像がつきます。


まつ毛が凍るほどの土地にいた母からしてみれば当然だったでしょう。