0.01秒単位でナレーションを合わせるには? | 日英バイリンガルアナウンサー 藤村由紀子 

日英バイリンガルアナウンサー 藤村由紀子 

バイリンガルMC・日英司会・日本語&英語ナレーション・レセプション通訳

先日スペインからご依頼のあった
日本語ナレーション案件。


今回の原稿には
それぞれの文の時間が
きっちりとかかれていました。


左側にあるのが、もとの英文。
真ん中が日本語原稿。
そして
右から2番目がタイムコード。
右端はそれぞれの文の長さ。
0.001秒単位で書き込まれています。

で、原稿のグレーの部分は
英語のネイティブスピーカーが
顔出しで喋っているので
喋り始めと喋り終わりの時間を
合わせて欲しい、とのこと。

こういった案件は
「リップシンク」案件と呼ばれます。

顔出しがなく
スライドや動画の画像の時間に合わせて
ナレーションをすることは
「Time Sync」と呼ばれます。

プロのナレーターなら
1秒単位でナレーションの読みを
合わせることは
皆さんやっていらっしゃるはず。

ただ、0.001秒単位で
合わせるのは神業に近い!!

じゃあ、どうするの??



私の場合は
下読み(収録前の練習)の段階で
この秒数ならこのペース、と
スピードを確認していき、
その後、収録。
編集で細かい秒数を揃えていきます。

ただ、
間(ま・言葉と言葉の間の空白の時間)を
カットして短くしてしまうと、
全体の流れが壊れてしまうので、
その文全体のスピードを
調整していきます。

とはいえ、普通に
早回しや、ゆっくり再生にすると
音程が変わってしまうので
そこも調整していきます。

ということで、
0.001秒単位とまではいかなくても
0.1~0.01秒単位で
不自然にならないように調整して
納品しました。


すると、早速…

File received and checked! Like the previous one, it sounds AWESOME!!! Your voice sounds beautiful, your line delivery is fresh and lively, and the sync is so precise!! Congratulations!


(ファイルを受け取って、チェックしたよ。前回同様、素晴らしいね!君の声は美しくて、読み方も爽やかで明るく、リップシンクもすごく正確!おめでとう!)

というお返事が。
喜んで頂けて何よりです♪


リップシンク案件は苦手、という
ナレーターさんもいらっしゃいますが
慣れてしまうと結構ラクに
出来るようになります。

「声のお仕事大革命!
  自宅で始めるナレーション入門講座」
マスターコースの修了生向けの
オンラインサロンでは
リップシンクやタイムシンクの練習も
おこなっているのですが

皆さん、映像にぴったりあうと
感激するみたいで、楽しみながら
取り組んでいらっしゃいますよ♪