境界性パーソナリティ障害とは

境界性パーソナリティ障害とは、

 

感情が不安定で、対人関係がうまくいかず、

 

生きづらさを感じる人に多い症状です。

 

 

0か100か白か黒かなど二元論で物事を判断し、

 

自己否定感やイライラから感情を自分や他人にぶつけるような人もいます。

 

 

全員ではありませんが、本人に一番近い家族やパートナーなどに攻撃的になりがちで、

 

当の本人も周囲も疲れ切ってしまうことも多々あります。

 

 

アメリカの調査では人口の2%、特に女性に多い傾向です。

 

個人的には日本でも同じような傾向があり女性に多いと感じています。

 

 

そのほかの特徴として

 

  • 複雑に考える
  • 後悔が強い
  • 神経過敏
  • 過敏メンタル
  • 完璧主義
  • 結果主義
  • 衝動的な行動
  • 自虐的
  • 拗ねることが多い
  • 自己否定感

 

などの特徴があります。

 

一般的な解説はよそのサイトでも多く解説されていますのでここでは割愛します。

 

 

ここからは情緒なく淡々と綴りますので、あなたも淡々と読み進めてください。

 

 

 

「境界性」というのは、そもそも神経症と統合失調症の境界にあるからそう呼ばれるそうなのですが、

 

個人的に思うのは、捉え方が極端で、物事の「中間」を捉えたり

 

「中立的」な、いわゆる「境界を受容する」ことがとても苦手な人ばかりであることを強く感じます。

 

 

アンビバレント(両極感情)といって

 

相反する意見や捉え方を同時に持つ傾向があります。

 

 

要はどっちつかずに苦しむ人が多いのです。

 

 

トレードオフの考え方ができないせいで物事を決めることが苦手です。

 

 

失敗への恐れ、自分で責任をとる恐怖から、相手に許可を求めたがる人もいます。

 

「あなたが言ったからそうした」と言えることで

 

失敗の責任を回避でき、これ以上自己否定に陥らなくて済むからと考えられます。

 

 

 

大抵の場合、プライドがあるので素直になれない。

 

素直になると負けた気分になる。

 

勝ち負けで生きている。

 

素直になれないため、

 

相手の方から歩み寄ってもらうために、

 

態度を荒げて機嫌を相手に取らせたり相手の愛を確かめる。

 

 

そしてそんな自分に自己嫌悪を感じる。

 

 

失敗したくないので挑戦できない。

 

でも挑戦しないと後悔するので挑戦したい。でもできない。

 

そして自己嫌悪。

 

 

これらが全てではありませんが、天邪鬼な性格の人がやや多く、

 

その根底には親や周囲から否定されて育った影響が強く、

 

自己否定の感情が隠れていることが多いのです。

 

■根本的な原因は?

境界性パーソナリティ障害の根本的な原因は、完全には解明されてはいません。

 

今のところ認知行動療法に一定の効果があるということから、可能性が高そうなのが

 

本人のセルフイメージやビリーフ(信念や観念)の問題です。

 

育った環境や元々の性格や遺伝、トラウマ、観念などが単体で影響した場合と

 

複合的に影響している可能性です。

 

 

ただし、まだまだ人間のメンタリティという分野は研究段階です。

 

 

遺伝や脳内ホルモンの影響、場合によっては未知の原因だって

 

他の要素が原因になっている可能性がまだまだあり得ますので、

 

単なる性格や観念、価値観、思考の癖の問題だけとは言い切れないことは念頭に置いて欲しいです。

 

■境界性パーソナリティ障害の人は自己受容が苦しい

人間は安心感や自己を肯定する自己肯定感が幸福感には必要です。

 

生育環境が悪かった可能性が影響してか、安心が感じられないため

 

自分の長所も短所もコンプレックスも全て認めて一旦は受け入れる「自己受容」ができない人が大半です。

 

 

この自己受容がパーソナリティ障害の人は本当に苦手です。

 

「人間なんてこんなもの。こんな自分でも別にいいじゃん」とはとても思えないのです。

 

他者との比較が半端ではないです。

 

 

生まれてから安心を感じたことがない、或いは自己否定があるため、これ以上自分のマイナス要素を認めたら、もう自分に耐えらないという思いを持つ人も結構います。

 

 

■境界性パーソナリティ障害をより色こくする要素

境界性であるかどうかをある程度ですが決定づける要素があります。

 

それが「見捨てられ不安」です。

 

「置いてきぼり感」と表現することもできます。

 

これは自己否定や自分の存在に価値を感じていないことで起こります。

 

見捨てられ不安の本質は「焦り」です。

 

 

境界性の人にとっては、周囲の幸せは自分へのプレッシャーにしかなりません。

 

 

夢を追い求める人の話を聞くと焦りますし

 

頑張っている人を見ると、自分と比較して苦しくなります。

 

 

感情が乱れがちなため、人間なんて実際は大差がないことに気づけません。

 

頭でわかっていたとしても、心がついて来ない人もいます。

 

 

■境界性パーソナリティ障害は、「存在」に結びつける癖がある?

 

境界性パーソナリティ障害の人は

 

何かと自分の「存在」に物事を結びつけがちです。

 

 

人から指摘を受けると、自分の存在を傷つけられたと勘違いしてしまいます。

 

何か失敗をすると、すぐに自分の存在に結びつけて

 

自分には価値がないと感じるか、

 

それを避けたいがために外部のせいにしがちです。

 

 

これは境界性でない人で、ただ単に被害者意識の強い人でもあることですが、境界性の人にはこの傾向が強いです。

 

存在ではなく、少なくとも今は状況や状態に目を向けられる視点の切り替えは必要です。

 

要は心理学でいうところのリフレーミング(捉え直し)です。

 

間違えた自分が悪かった❌

間違えた方法が悪かった⭕️

 

 

自分がしてあげていることに注目する❌

自分がしてもらっていることにも注目する⭕️

 

人に頼る自分は情けない❌

自分も同じような人をいつかは助けよう⭕️

 

 

このように存在から状態へ視点をシフトさせたり、

 

他人にしてもらっていることにもフォーカスする癖をつけることが大切です。

 

とはいえ、なかなかにこれも難しいようです。(^◇^;)

 

 

上記のように考えることに抵抗がない人は根気良く続けて習慣化しましょう。

 

 

■反すう思考がより生きづらを増幅させる

境界性の人はうつ病の人と同じで、マイナス思考や過去のネガティブ体験を頭の中で繰り返し再生させる反すう思考が多いです。

 

一説には、過去の辛い体験や認知の歪みからくるマイナスの妄想は繰り返すと、実際の体験をしたかのごとく記憶される可能性があるそうです。

 

そこまで大した問題でなかったことを、考え続けるうちに増大させたり、

 

場合によっては、虚偽記憶といってネガティブ思考を繰り返しているうちに記憶が改変されありもしなかったことまで事実と認識して憤りを育ててしまう人すらいます。

 

反すう思考が多い人ほど、時間を持て余していたり、トラウマを抱えている人などがいます。

 

毎日散歩や運動、クロスワードパズルをすることが反すう思考の改善に役立つことがわかっています。

 

 

■アダルトチルドレンに多い境界性パーソナリティ障害?

 

アダルトチルドレンとは、

 

幼少期に子供らしく健康的な心理環境で親に育てられなかった人のことです。

 

 

アダルトチルドレンの中には割合はわかりませんが、一定数、境界性パーソナリティ障害の人がいます。

 

これも自己否定感の影響が色濃いと考えられます。

 

境界性は安心を感じて育っていない人に多いのです。

 

 

それだけに社会は怖いとか誰も助けてくれない、わかってくれないという気持ちが先行し情緒不安定になります。

 

  • いつも親にビクビクしていた人
  • 親からの過干渉
  • ネグレクト(育児放棄)

などを経験して親からの愛情を感じていない人に多いですね。

 

自分は所詮ひとりぼっちと感じがちです。

 

 

■境界性パーソナリティ障害からうつ病を発症する人も

 

境界性パーソナリティ障害から、うつ病を発症する人も一定数いて、このタイプの人だと回復に非常に時間がかかる傾向があります。

 

慢性的な情緒不安定、生きづらさからうつ病を発症する人がいます。

 

自責思考が強い人か、

 

自責思考と他責思考が混在している人にも多いと感じています。

 

 

医者からSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を処方されても

 

全く効果がない場合、それはうつ病であってもトラウマか境界性が一番の原因の場合が考えられます。

 

 

薬を飲むことを「情けない」と感じがちな人ほどアル中の人がお酒に頼るのと同じで

 

薬を飲むたびに、自己否定を繰り返し感じてしまい、うつ病がより悪化する人もいます。

 

 

■境界性パーソナリティ障害の治療法

 

境界性の治療は一般的には投薬と認知行動療法(弁証法的行動療法)などが有効といわれています。

 

個人的に思うのは社会的な活動がある程度できる人には

 

上記方法は効果的ということです。ただ投薬だけでは良くはなりません。

 

必ず認知行動療法が必要です。

 

 

もし強いトラウマ(PTSD)などがあれば、上記の方法ではうまくいかない傾向があります。

 

その場合は、休息、セラピー、栄養改善に始まり、カウンセリング、認知行動療法へと進めていくことで改善を狙います。

 

このタイプの場合は改善までに長い期間が必要な場合は大半です。

 

 

■間違えてはいけないこと

 

くれぐれも間違えてはいけないことは

  • 境界性の状態の人は、そうしたくてやっているわけではないということ。
  • 耐え難い苦痛を感じながら生きている人がいるということ。
  • これまで生きていくために、そうせざるを得なかったこと。
  • 育った環境に関して、成人前までのことは本人に責任が殆どない場合が多いということ。

 

パーソナリティ障害やうつ病など、メンタルに問題を抱える人の多くに

 

育った環境が著しく悪かったということが多く見受けられます。

 

 

昨今の自分の人生は全てが自分の責任と捉える風潮には一部間違いがあります。

 

それは大人になったこれからに関しては、自分で責任を持ってやっていく必要がありますが、過去の、増してや子供の頃に関しては、自分に責任などないのです。

 

そこまで自分の責任にしてしまうのは酷というものです。

 

増してや、自分で親を選んで生まれているという発想をする人もいますが、

 

当事者にして見れば、その言葉は傷づけるだけです。

 

感謝をしなさいとか、未来を考えようといく視点も本質をわかっていない人の意見と私は思います。

 

それは逆境を乗り越えられた人か、そもそも幸福に育った人の言葉です。

 

真相意識というものはそんなに簡単じゃないことは、まともなセラピストやカウンセラーなら誰でもわかることです。

 

 

なぜなら子供には客観性、論理性は未発達なため、的確な判断など到底できないのです。

 

 

論理性の欠如を埋めるために、「自分が悪い」と思うことで育っている子供が多いのです。

 

 

そういった人をできるだけ無くすために必要なことが、子供と親への心理教育です。

 

 

それがほぼなされていない現在の教育レベルというものは、

 

心理教育に携わるものとしては嘆かわしいと同時に、私たちの責務だと感じています。

 

非力ながらも、少しでも苦しむ人が少ない社会にしたい。

 

そんな思いが日々活動する上での私の活力になっています。

 

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