働き方改革により「同一労働同一賃金」「残業規制」が法整備化されてきた。

 ところが、その一方で、政府は柔軟な働き方を目指し「兼業」を容認しようとしている。

 ちょっと待ってと思う。

 なぜに、兼業なのか。

 これまでは「愛社精神」が重視されてきたわが国の雇用制度において、「兼業禁止」

 としている企業がほとんどであった。

 あなたの労働力をわが社で最大限発揮しなさい、企業もそれに報いるからということ

 が暗黙の了解事項となっていた。

 なぜ今「兼業」容認なのか。

 それはわが社ではあなたの給料はここまでしか補償できません、その中で最大限

 わが社の仕事をしてください。どうしても給料が不足するというのなら他で兼業を

 してもらってかまいません・・ということではないだろうか。

 

 過労死問題から「残業ルール」を厳格化した。

 その一方で兼業容認ということになると、結局労働者の労働時間はかえって長くなるのではなかろうか。

 A社において残業ルールを遵守するならば、残業代も発生しない。

 企業にとっては残業代を支払わずにすむ。

 しかし、残業代をカットされた労働者は生活に困るからB社で兼業して働く・・

 という流れだと思う。

 

 A社とB社と異なる会社での労働時間を正確に把握することは可能なのだろうか。

 過労死する人が増加することになりはしないだろうか・・・