自転車で糖尿病を克服した! -163ページ目

『旅』シリーズ 第一回 「サドルの旅人たち」

 「サドルの旅人たち」


 旅人たちよ、たまにはその疲れた身体を休めるが良い

 海を渡り、山を越え、その果てしない大きな大きな世界をすでに何万里も渡り歩き、

 そして、これから先もその世界は果てることがない…

 そう知りながら、なおその旅を続けるというのか


 愚か者になる前にその翼を休めよ、その汗ばんだ身体を横たえよ、その血走った目を閉じよ…

 その旅に終わりはない、今はしばしこの場所で事足りんことを学ぶとき


 翼を休めよ、身体を横たえよ、今は休息のとき、

 あぁ、サドルの旅人たちよ…


これは、メキシコのユカタン半島にある「サドル」地方に古くから伝わる伝統的な詩だ。毎年感謝節になるとお祭りで現地の人々に歌われる民謡にもなっている。


聞くところによると、この地方ではマヤ時代から特に旅人たちが多く、何千、何万という人たちが理想の「サドル」(現地語で理想郷のこと、現実には存在しない夢の世界。この地方が「サドル」の名で呼ばれるのも、そうした理想を求めてのことと思われる)を求め、決してひとつの場所で満足することなく、次から次へと理想郷、永遠の安楽を求めて旅を続けていたらしい。


マヤの遺跡、ラチェン・ト・イータにはこんな内容の碑文があるという…


その旅人は決して満足することを知らない。


生を受けた最初のサドルで満足しないばかりでなく、

(訳者注:ここでは「サドル」とは「街」という意味で使われている)

次から次へとサドルを渡り歩く。


3日そのサドルに滞在すれば、もう次のサドルへ。

あそこが痛い、ここが辛いと言っては、もう次のサドルを目指す。


ときおり、一度来たサドルに戻ることもあるが、やはり長居はしない。

見た目に派手やかな別のサドルに惹かれ、また旅立って行く。

今日はセライタリアだ。明日はフィジークだ…とその旅は終わりを告げることはない。

(訳者注:「セライタリア」や「フィジーク」は当時の大きな都市の名前らしい)


たまには、あるサドルに比較的長くとどまることもあるが、

やはり年の変わり目には別のサドルへと旅を続けて行く。


また、長く居座るサドルが高級なサドルであるかというと、実はそうでもない。

「セラサンマルコ」から庶民のサドル「ベロ」に移って来てしばらく幸せに暮らした旅人も実は多い。

ただ、そうした旅人も間違いなく、しばらく後には別のサドルを求め旅立って行く。


たとえ「スペシャライズド」に長く滞在する旅人がいても、遅かれ早かれ別のサドルを求め旅立って行くことは間違いない。「プロロゴ」や「エスエムピー」に来る旅人もいずれは同じ運命を辿る。


それが旅人の宿命なのだ。サドルはサドル。誰もが満足する理想の都(=サドル)などどこにもありはしない…。

(訳者注:文中に登場するカタカナの意味不明の単語は当時の地名のようだ。)


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上記のマヤ地方の伝説とは全く関係ないが、私自身も非常に近い経験をしている。


■ジャイアント・エスケープR3の場合

★ジャイアントの純正サドル(「しびれ」が発覚したために交換)→★「セラロイヤル」の安いサドル→★サイクルベースあさひの特性サドル→★ボントレガーのサドル(結構痛かった)→★サイクルベースあさひの特性サドルに戻る…


■ピナレロ・アングリルの場合

★ピナレロの純正ブランドMOSTのサドル(最初は結構具合が良かったが重いので)→★セライタリアのC2に→★やっぱ最初のサドルの方が良かったかなとMOSTに→★サーファスなんて良さそうと思い交換→★でもやっぱセライタリアに戻す→★でも微妙に満足せず、スペシャライズドのトゥーペなんか良さそうかな…と思い、交換を検討中


この問題に究極的な解決策などあるのだろうか…一気に10個買ってきて全部試し、1つベストを選ぶ、そして残りの9個を全部オークションで売る…とかしないとこの旅に終わりはなさそうだ…う~ん。


「河口湖へのクロスバイクの迷走」という旅のレポートを書こうと思ってたけど、ちょっと急に方向転換。別の種類の「旅」がテーマになってしまった。次回は「旅」シリーズの続きで「ペダルの旅人たち」。ロードバイク用のビンディングペダルに換えたので、そのドキュメンタリーレポートもあり、の予定!


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