ほとんどのバイクにはセルが付き、ボタンひとつで

簡単にエンジンを かけることができる昨今。

これはこれで良いことなのだけど・・・


オフロードや古いバイクに乗れる機会があったとき

バイク乗りならキックスタートだって

ビシッと決めてもらいたい


キックでエンジンを始動させる その儀式を知っているかなんて

バイク乗りにとっちゃ、ただの通過点だけどね。

4スト単気筒 SRXのエンジン始動儀式 例

(これはあくまで基本だから車種や状況に合わせて自分で考えてアレンジすること!)


長期間放置や、寒い冬の朝

1、キャブレターのドレンボルトから古いガソリンを抜く

ガソリンには吸湿性があり、古くなると始動しづらくなる

2、負圧式燃料コックをPRE(プライマリー)常時流入位置にひねる(約1分放置)

キャブレターの油面高さまで新鮮なガソリンを満たす

3、キャブに新鮮なガソリンが充填されたころオーバーフローをチェックしてからコックをON位置に戻す

4、チョークレバーをいっぱいまで引く

外気温によってチョークレバーを引く量を加減する

5、イグニッションスイッチをONにしてギヤのニュートラルを確認する(キーをひねる)

坂道停止等でギヤが入っていたら、キックスタートで車体が前に動いて危険だから

6、いったんイグニッションをOFFにする

いまから流入させる混合気に無駄なスパークを飛ばせないため

7、右ステップをたたみキックレバーを引き出す。(クラッチレバーを握りそのままキープ)

8、キックレバーをゆっくり踏んでキックレバーが重たくなる位置(ピストンを上死点の位置へ)を探す

上死点出しの軽いクランキングが新鮮な混合気のプリチャージになる

クラッチレバーを握った状態で軽くクランキングすれば湿式クラッチ板のオイル粘着抵抗も減る

9、イグニッションスイッチをON、ニュートラルランプを再確認

10、キックレバーを最上部まで戻し、ひと呼吸、しっかり足場を確保する

ピストンを圧縮上死点位置にもっていき 長いストロークでキック、

シリンダーの中で、混合気の吸い込みとプラグからの火花の状況を想像

11、そこからすばやく力強く、いっきに踏みつぶす感じで蹴り下げる。


「ドッドッドッドッドッ」・・・エンジンスタート



この手順(儀式)をひとつひとつをあわてずにきっちりやった場合、

今のところ キック1発でエンジンかかってます。

エンジンが極端に冷え込まない限り、その日はエンジンも すんなり かかります)


エンジン暖気運転

空冷単気筒は金属が規定値に熱膨張するまで、オイルが温まり各部に巡るまで暖気運転

かといって、キャブに熱が伝わるほど暖めるのはNG


エンジンの回転数を見ながらチョークレバーを戻していく(2000rpmぐらいで暖気 30秒)

エンジンが かかったらチョークはできるだけ早く戻したい

チョークを完全に戻して規定空燃比で暖気(アクセルで1000rpmキープ)

アイドリングが落ち着けばOK 空ぶかしはしない

静かに発進、人車ともに温まるまで 

しばらくはシフトチェンジも丁寧にやる

完全に温まるとアイドリングは1200rpm前後(調整済み)に落ち着く