岐阜屋 | 美塾塾長 内田裕士オフィシャルブログ「人のために美しく生きる」Powered by Ameba

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新宿の西口をでて右に、ガード下に向かって歩くと

思いで横丁、通称しょんべん横丁がある。


そしてその中でも一番奥のガード下寄りに



  岐阜屋



という繁盛しているラーメン屋がある。



ふつうラーメン屋というと、

サッと食べてサッと帰るのが通常だが


ここは飲み屋に近い感覚だ。



美味いんだか不味いんだかわからんが、

とにかく繁盛している。




5年くらい前に先輩に連れて行ってもらって以来、

気が向いた時にフラっと立ち寄っている。




先週もそんな気が向いた日があったのだ・・・。



急遽必要なものがあったので、

歌舞伎町のドンキホーテで買い物をして

疲れた俺は帰りがけ、岐阜屋に立ち寄った。

いつものごとく、なぜか込んでいる店内。




「すいません、瓶ビール!!」



ここの瓶ビールは大ビンでキリンのラガーだ。

キリンは嫌いだが、ラガーだけは大好きだ。

一番絞りだったらもう来てないだろう。



ごくごく飲みながら餃子を頼んだ。




左隣には親父とハタチくらいの息子が嬉しそうに酌を交わしている。


親父が手酌をしようとすると

「おっと、注ぎますよ♪」

と息子。大人の会話を楽しんでいるようで、

親父も嬉しそうだ。




餃子がきたのでバクバク食べた。

やはり美味いんだか不味いんだかわからない。




右奥にはこの店か映画にしかいないだろう、ってぐらいインパクトのある

背の低いチンピラが、ウーロンハイを飲みながら

しきりに携帯のバイブにドキッとしながら

画面を見ては残念そうな顔をしている。




野菜炒めを頼み、ビールを追加で頼んだ。




親子はとても幸せそうに飲み交わしている。


話からすると親父は離婚しているようだ。

「親のこと見ているから結婚考えちゃうよね。」

と言いながらも息子に彼女はいるみたいで、若干余裕の表情だ。




野菜炒めをがっついていると



小太りでニヤニヤしたおっさんが来店してきた。


座ると同時に茶色い飲み物が出てくるところを見ると

常連だ。




するとそのおっさんにオレの右隣の若いメガネが軽く会釈をした。

ちょっと意外な光景だったがすぐにピンときた。



~この大人しそうなメガネ、さては常連になろうとしてるな~



何回目なんだろう、いつからだろう、うまく馴染めずにいるんじゃないか

と想像が膨らむ・・・。




ぼんやりしながら野菜炒めを退治してビールを飲み干し、

焼酎をロックで頼む。



アルカリ焼酎が非常識なくらいグラスにたっぷりだ。

ロックなのに。





最後の締めをどうしようかとぼんやり考えていると


メガネにチャーハンが届いた。



チンピラはお目当てのメールが着たのか

飛ぶようにして消えていった。




メガネはチャーハンに夢中だ。


俺はハフハフしながらがっつくメガネの姿に魅了され

たまらず聞いてみた。



「・・・チャーハン美味いんすか?」



一瞬ビクっとしたがメガネのメガネがキラリと光った、気がした。




常連のおっさんのメガネもキラリと光った、気がした。




メガネから伝わる異常なまでの緊張感、

期せずして俺がメガネの常連試験を強制的に発動したようだ。




メガネ深呼吸してこう答えた。



「美味いですよ。特におやっさんが焼き場の時はね。」




俺にしてみたら全員おやっさんだと思っていた店員だが、

今目の前にいるこの親父がおやっさんと区別され、それを

使っておっさん達を区別しているメガネだ。

というアピールだ。


そして得意料理を把握している。



親子は幸せそうな顔で、並んで美味しそうにラーメンを揃ってすすっている。




俺は

「チャーハンください!」

と叫んだ。


乗りかけた船だ、トコトン行ってやる。俺は覚悟を決めた。


おやっさんの目つきが変わった。


ダウンタウンの浜ちゃんにそっくりの、顔のパーツが中央に集まった

おやっさんは機敏なしぐさで中華なべを火にかけた。



シンプルに具はねぎ、卵、チャーシュー、なると。


中華料理にも十分な火力の厨房で

あっという間にチャーハンは出来上がった。




俺の目の前にきたその黄金に輝くチャーハンの美しさと言ったら

言葉では表現しがたい。

例えるなら、よく海賊の映画で宝が見つかるシーンがあるが

あの宝となんら遜色ない。


これはたまらない。




生つばをゴクリを飲み、


もう我慢できないと、冷静さを忘れて一気に

レンゲでチャーハンをかっ込んだ!!




 ・・・・・・・・・・



・・・美味いんだか不味いんだかわからなかった!!




常連のおっさんのメガネがまたキラリと光った、気がした。