白糸の滝を後にし、その上の方にあるお鬢水に向かう。
お鬢水とは、源頼朝がほつれた耳際の髪の毛を
このお水で直したと言う伝説のある場所だ。
後で分かった事だけれども、前回の日本で訪れた人穴冨士講遺跡。
富士講の開祖、長谷川角行(藤原角行)はここで修行し悟りを開いたとの事だが
この長谷川角行は、修行の際2.3日に一度はここに訪れ
契りをしていたとも言われているらしい。
角行は夢で役行者から教示を受け、富士山麓で苦行を重ね大行を成就したとの事。
何とも美しい水が湧き出て、その奥にある岩に囲まれた所で
しばし、お祈りをする。
インドネシアに『コソン』と言う言葉が有るのだけれども
そしてそれは、日本語訳すると「何も無い」と言う言葉なのだが
この地での私は、全くの『コソン』だった。
つまり、頭で色々と考えられないのだ。
考えようともしない、と言うか。
何故、シライトノタキヒメなのか?
何処に行くにも、巡礼、と言う意識のある旅では
いつも私はこう言う状態に成る。
そこの歴史がどうのこうのとか、言われがどうのこうのとか
行った後では、調べてみる事もあるが、
最中では只そこに存在してみるだけ、そう言う感じなのだ。
だから、今回出て来た角行も源頼朝も、役行者も
私にはよく分からない。
ただただ、白糸の滝にしても、このお鬢水にしても
地球に存在する美しい水について感じてみた。
そろそろ夕方だ。
この後、私たちは山宮浅間神社に向かった。
続く