私を嫌って捨てていけ。
って、不穏なタイトルですが（笑）
これは、私の子供たちに向けての言葉です。
まあ、嫌わなくても、捨てていかなくてもいいのですが。
何というのかな、子どもたちには、私という、個人的な「母」に
とらわれて欲しくないのですよ。
昔、読んだ本に、臨床心理士の河合隼雄さん著だったかな、
アンネ＝フランクは、その日記で、母について悪く書いているけれど、
実際の母親はそう悪い人ではなかった。
アンネは、「元型の母」に対して反抗しているのだ、というようなことが
書いてあったと記憶しています。
元型というのは、ユングが唱えた、人種や時代を越え、
人類が共通に持っている型、ということです。
人が母に求めるものは、偉大な受容性なんだけれど、
なんでも受け入れるっていうのは、同時にのみ込む危険もあります。
慈愛とともに、支配の色あいもあったりします。
元型でいうと、グレートマザーですね。
だから、人が自立していくには、こののみ込み、支配から脱していくことって
大切だと私は思っています。
ここが、日本はまったくなくて、お母さんとぺったりの世界になってしまいます。
これまでの会社人間の男性たちも、会社というお母さんにべったりでしたね。
田舎では、男性も女性も、地域というお母さんにぺったりです。
基本、私は昔から、そこが嫌なんですよ。
だから、皆さんが、お母さんを大切に思うお気持ちを、否定しているわけでは
ないのです。
わかりますでしょうか？
こういうことを言いますと、「私自身が、母親との関係が悪いからだ」、
と言う人もいると思いますけれど、
そういうことを言っているんじゃ、ないのです。
ちなみに、私は今、実際の母親と、かなりいい関係です。
ですけれど、母親ともし最悪の関係であったとしても、今の私が、
ぐだぐだに揺れるわけではまったくないです。
子どもたちとの関係も良好ですけれど、
たとえ、子どもたちが私を嫌って捨てていったとしても、
今の私の穏やかな世界がぐずれることは、まったくないです。
なんていうのかな、個人的な母とか、個人的な子どもたちとか、
たしかに大切ですけれど、
彼女彼らを、私の母だから、私の子どもだから、という目線で見たくないのです。
彼女たちが、個人的に私を気にいれば、その度合いに応じて、
私に関わってくれればいいです。
母も子どもたちも、私のことを嫌って、捨てていってくれても、全然いいんですよ。
「親だから」とか、「育ててもらった恩」とか、「親孝行」とか、そういうものに、
しばられてほしくないんですよね。
私も、しばられるつもりはありません。
コンサルをさせていただくと、あまりにも皆さん、「自分の父」、「自分の母」、
「自分の子ども」に、とらわれ過ぎていると思えるのです。
もちろん、そういう時期があってもいいですし、そういうお気持ちを受けとめ
させていただいていますが、
そこから自由になってもいいんですよ、ということも、
お伝えしたいと思います。
私も、自分の母、自分の父、自分の子どもたち、というものに、
とらわれていた時期もありました。
いつからでしょう。
そういうものに、まったくとらわれなくなったのは。
個人的なそういう関係にすがりつかなくても、
いつからか、何かもっと大きなものとつながっている、
と、自然と思えるようになってきたんですよね。
それは、いわゆる、神と呼ばれたり、宇宙意識と呼ばれたりするものなのかも
しれませんが、まあ、なんでもいいです。
なにか、そういう大きなものがある、
そして、その大きなものとつながっている、という確信のようなものが、
いつのまにか、
意志で思うようにしているのではなく、
気がついたらいつのまにか、そんな確信があって、
そうしたら、個人的な関係は、どうでもよくなってきたといいますか。
いや、母も子どもたちも、大切ではありますよ。
でもそれは、私の母だから、私の子どもたちだから、じゃないんです。
同じ時代を生きているもの同士として、大切です、ということです。
そして、あなたも、同じ時代を生きている同士として、大切です。
人と人の関係って、そういうものかな、と思うこの頃です。
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