『若冲と蕪村』
サントリー美術館で開かれていた美術展。
さて、いよいよ感想を。
日本画は、正直興味がなかったのだけれど、
powder☆さんご紹介で下の子と行ってきた。
そこそこ混んでいたけれど、じっくり見れた。
若冲の作品、数点に目がひかれた。
まず、初期のだという水墨画による、
「隠元豆、玉蜀桼図」
特に隠元豆の絵がのびやかで、模写して玄関に飾りたいと
思った。
色のついた鶏も目をひくのだけれど、
墨の黒に、ところどころの彩色をほどこした
「枯木鷲猿図」
まがりくねった木が力強い墨の黒で描かれ、
まるで立ち昇る龍のよう。
その上でにらみをきかせる鷲は、
その白い羽根が透き通って幻想的である。
緻密な写実であるようでいて、写実を越えている。
この形のバランス、色のバランスが好き。
そして、圧巻だったのは、
「象と鯨図屏風」
その壮大な対比もさることながら、
象がなんともかわいらしくデフォルメ
されているのである。
入り口に下ろされている図の象ね。
日本画、墨絵から逸脱したような絵。
そのセンス。
別の作品で、
象をマス目描き、という独特な書き方で描いてもいる。
powder☆さんが、コメントで書いてくれたけれど、
「『若冲は 絵で世界を救いたかった』
『サインアート』)と書いてあって…。」
若冲は家業をやりぬき、
40歳で弟に家業をゆずり、絵を書き出す。
家の枠を越え、
日本画の枠も越えたかったのだろう。
枠を越えようとする人が好きだ。
枠に閉じこもり、そこから出ようとしない人に興味は
まったくわかない。
ではまたね。