りさぽんの妄想小説です。




ゆいside


夢みたいな時間だった2日間の卒コンも、あれからもう2ヶ月経つ今日この頃。



りさは朝から仕事に行ったから、今日はひとりでお留守番だ。


『りさ、まだかなぁ』


もともとインドアな私は、何もなければ外に出ることもなくて。

卒業してからは、こうやっておうちでゆっくり過ごすことが増えた。


『う~ん、暇になっちゃった…』


ドラマも見終わったし…



『片付けでもしようかな』



綺麗好きな彼女が居るから、普段のお片付けでは出番がない私。


部屋のあちこちに飾ってある卒業祝いで貰ったギフト達。

メンバーから貰ったものや、舞台とかドラマの共演者さんから頂いたもの。


『わぁ、可愛い~』

キレイにラッピングされたものを開封して、一つ一つ手にとって眺める。


『ふふっ何この写真、ってかキラちゃん映り込んでるし(笑)』

素敵なメッセージの寄せ書きや、いつ撮ったの?みたいな写真まであって、時間が経つのも忘れて見いってしまう。



大切なギフト達を抱えて、寝室のクローゼットに向かう。


私の大事なものを入れるボックス。


『わぁこれ懐かし~』

久しぶりに開けた箱には、私の大事なものがたくさんあって…




『あ、このハート…』



片付けもそこそこに、厚紙で作られたピンクのそれを、そっと手のひらに乗せる。


『ふふっ可愛い』


これは私の一番大切なハート。



片付けを中断してベッドに座り、ハートに思いを馳せる。




りさの卒コンのBuddiesでのパフォーマンス中に、空から降ってきたハート。


私の手をすり抜けていったハートを、隣のりさが拾って渡してくれた。


それがすっごく嬉しくて、その後もずっとハートを持ったまま集合写真も撮ったりして。



『2人とも卒業しちゃったなぁ…』






りさside



『ゆいちゃんいい子で待ってるかなぁ』


ノンノの撮影の帰り道、おうちに残してきた可愛い彼女を想う。


『ゆいただいま~』


『…………』


『ありゃ?』

いつもリビングからぱたぱた出てきてお出迎えしてくれるゆいちゃんが不在で、首を傾げる。



『ん~?お昼寝かな?』


静かに寝室を覗いてみると、ベッドに丸まる最愛が居て、勝手に頬が緩む。

『ゆい、ただいま』

起こさないように声を掛け、優しく髪を撫でる。



しばらくそうして愛でていたら、『んうぅ~~』と大きく伸びをして、子猫ちゃんが目を覚ます。



『んん……んえっ?りさ?』

『おはよ。ゆい、ただいま』

『…りさ、おかえり。。寝ちゃってた……』

目を擦りながら、上体を起こすゆい。



『ゆい。その、手に持ってるの…』

『え?…あっ!!』

寝ているうちに持っているのを忘れてたみたい。


『うそっ、しわになっちゃった…』

大きなおめめをうるうるさせる最愛。


『大丈夫だいじょうぶ。ね、ほら元通り』


ハートを預かって、そっとしわをのばしてあげる。

『うん。良かったぁ…』


『このハート、まだ大切に持っててくれたんだ』

『うん。だってりさがくれたハートだもん』

だもん、とか素で言っちゃうの、妹っぽくて可愛い。


『ふふっ可愛い』


ちゅっ


起き抜けぽやぽやのほっぺにキスをする。


『ゆい、いい子でお留守番してたんだけどなぁ』

上目遣いでおねだりする彼女。あざといなぁ。

一人称が名前の時は、甘えん坊のゆいちゃんの時。


『間違えた、こっちだった』


ちゅっ


ぎゅっと抱きしめて、唇を重ねる。



『んふふっ。りさ好き』

『私もゆいが好き』


ちゅっ、ちゅっ、と啄むキスを繰り返しながら、好きを伝え合う時間。





愛おしさが込み上げてきて、このまま押し倒したくなる。ちょうどベッドだし(笑)


ぐぅ


そんな邪念を払ってくれる、可愛い音が響く。

『あははっ、おなか空いたね~。ごはんにしようね、はらぺこゆいちゃん(笑)』

『ねぇ、笑わないでよ~』


『ほんと可愛い』

頬を染めるゆいの手を引いて、寝室を後にした。





ゆいside



2人でキッチンに並んでごはんを作る。

『いいにお~い』

『もうすぐ食べれるよ~』


今までりさにしてもらってばっかだったから、これからは一緒にしたいなぁ。


『『いただきまーす』』

私が帰るのが遅くて、りさが温め直して出してくれるごはんも、もちろんりさが作ってくれたものだから美味しいのだけど。

『ん、美味しい』

『そ?良かった』

やっぱり一緒に作って、こうやって一緒に食べるともっと美味しくて幸せを感じられる。


でも最近食べ過ぎかな?卒業したら運動量が減って、体重も増えてきてる。

りさのごはんが美味しいからって、食べ過ぎには気をつけないと。


『ねぇりさ』

『うん?』

『あのさ、卒業してダンスしなくなったら、最近むくみすごくて…』

『分かる!私もそうだったよ』

『やっぱりそうなんだ…』


先に卒業したりさが傍に居てくれるから、この先のこと、なんにも心配してなくていいんだ。



『これからは一緒にピラティスしない?』

『ピラティスやってみたい!』

新しいことにチャレンジするのもいいよね。

『これからいっぱい楽しいこと、一緒にしよう!』

『うん!』


りさと一緒ならなんだって楽しみだよ。





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久しぶりの投稿。久しぶりのりさぽん。


ゆいちゃんの卒後の動きが見えませんが、きっと今まで忙しかった分、ゆっくりしてるのでしょう。


ふたりのそれぞれの卒コン写真を振り返っていたら、あのハートのこと思い出しました。きっとゆいぽんは大事に持ってるんじゃないかな?なんてね。