3年前の夏、俺は高校時代からの友達2人とそれぞれの彼女を連れ、計6人で海に1泊2日の旅行へ行った。


トリプルデートとでも言うのかな、俺の友達の家族が海に別荘を持っていたので、皆で行こうという事になった。




サークル内でも俺にべっとりだったミキは、周りも公認の仲だった。


女の多いサークルだったこともあり、サークル外の友達が多かった俺。


ミキは純粋だったが、人付き合いが取り立てて上手だったわけではない。


現に今でも地元へ帰ってきても、大学時代や高校時代、もしくは他の地元の友達と会うといった話は聞かない。



旅行はと言えば、かなり盛り上がった。


男3人は既に知り合いだったが、それぞれの彼女、つまり女3人はお互いを全く知らなかったが、気が合ったのか色々と話をしていた。


しかし、この事がミキを悩ませる事になるとは思いもしていなかった・・・



旅行から帰って以降、ミキの様子が若干おかしくなっていたのは感じていた。


だが、俺は「なんでもない」というミキの言葉と、旅行で知り合った女友達と連絡を取り続けていた事を知っていたので、女同士の何かだろう・・程度にしか思っていなかった。



それからさらに1ヶ月して、ミキに言われた言葉はこうだった。


「旅行で知り合った女の子達とたくさんお話してね・・・私あの子達が羨ましいって思った」


「皆色んな恋愛をしてるの」


「私もね、最初告白した時は・・いや、あの子達と話をするまでは、タクと一生居てもいいって思ってたの」


「今でもタクの事は大好きなの、それは変わって無いの」


「でも今はね、心の何処かで他の人も経験してみたいって気持ちがあるの・・・それはね・・体の関係も含めて・・」


「もしこのままタクと結婚したら、将来浮気してしまうかもしれない自分が怖いの」


「今まで私には、こないだみたいに深く友達と話す機会が無かったし、話せる友達もいないの・・・」


「私・・どうしたらいいのかな・・・・しばらくタクと距離を置きたいの・・・」

モコと2回目に深く話をしたのは、とあるバーだった。

男3:女1で、一晩中語り合った。


仕事、授業、私生活、そして恋。


初めてモコの恋愛感を聞いた。

・前の彼氏とは1ヶ月前に別れた事

・結婚も申し込まれたが、何処か違和感を感じ断った事

・兄が半年前結婚し、親からプレッシャーを掛けられている事



年上だからじゃなく、自分も素直に本音を話せた。

・6年付き合ってる彼女がいる事

・2年の遠距離を乗り越え結婚も考えた事

・他の人とも付き合ってみたいと言われた事




今まで同じ事を何人かの友達には話した事があったけど、話し終わった後ここまでスッキリしたのは初めてだった。

思えばこれがあったから、ミキとの別れを素直に受け入れられたのじゃないかと思う。



皆が語り終わった午前5時、ラーメン屋へ行こうという話に。

何だろう・・・


何故モコは他の人ではなく俺の横を歩いていたんだろう。

何故ラーメン屋の席で俺の横に座ってたんだろう。

何故酔ってフラフラしながら俺にぶつかってきたのだろう。



その時は恋の予感なんてしなかったが、自意識過剰と言われるかもしれないが、モコとの距離が縮まった。

そんな気がした。






モコと出会って4ヶ月が経っていた

付き合って、しばらくして、お互いの気持ちがピークの時って浮気を考える事なんてなかなか無い。


「浮気をしたいと思ってしまうくらいなら別れる」

ミキに言われた事がある。


「でもそんな事絶対しないから。ずっと一緒だよ・・・」

これもミキに言われた言葉だ。


若かったから、どんな事でも永遠と信じていた。


一つ一つがズレ始め、崩れて行った。

気持ちが俺から離れてしまった事は責めても仕方ないし、責めるべき事じゃない。

そんな事はしたくないし、してる俺も見たくない。






「別れても友達だよ」

と言われた。


「私には友達がいないの・・・何でもこうやって相談出来るのはタクだけなの」

とも言われた。



でも・・・元カノから今彼の相談を受けるのは、まだちょっと辛い時期じゃないか?

確かに俺はもう彼女がいる。けど、まだミキと別れて一ヶ月も経ってないんだよ?


モコに堂々と言えない罪悪感。元カノの恋愛相談を受けている、なんて言えない。

そうか・・・これは試練なんだな。この辛さに耐えた時、もっと人に優しくなれるんだ、と思い込んだ。

そうすれば、モコにももっと優しくなれるのかな・・・。




でもそれ以上にもっと辛かったのは、ミキの言葉だった

「私の彼ね・・・今東京に彼女がいるの」

「正直体の関係もあるの」

「割り切った関係でいようと思ってたの」

「でももうちょっと、私の相談とかも聞いて欲しいの」

「そしたら、彼女づらするのは止めてくれ、って言われたの」

「もう・・・どうしていいか分からない」


「モコといいます。初めまして。」

いつもの専門学校の受付。変わらぬ風景。そこに彼女はいた。

新しく配属された新人。見た目、俺と同い年ぐらいかちょっと若いか。


出会いは半年前、ミキとの終わりを強く感じ始めた頃。冬。

俺はまだこの専門学校に通っていた。





ここはミキの就職先。

中学校教員を目指していたミキは心機一転、就職活動を。

既に内定を得ていた俺は、かなり遅めの就職活動を始めたミキをフルサポートした。

おかげで1社目にて内定。しかし、喜んだのも束の間。配属先は2つ県を跨いだ遠距離だった。


教師としての採用だったミキはOJTとしてこの地元校へ。

俺は生徒として、ついでに取得したかった資格を勉強の為入学。

ミキのOJT終了後も仕事の傍ら通っている・・






「英語がお上手なんですね?お仕事か何かで?」

出会って3ヶ月、ある程度会話が出来るようになった時に、誰から聞いたのかふと聞かれた。


「海外出張が多くて・・商社ですし」

勉強したのは留学でだ。だがミキとの過去に言及したくなかった。


「へぇ~ラブラブかっこいいですね~。もう長いんですか?」

悪い気はしないが、気乗りがしない。


「いえ・・2年経ったぐらいです。」

卒業後、一度の転職を経て現職へ。


「え?タクさんって、おいくつなんですか?」

それは・・かなり失礼なリアクションでは?慣れてるが・・・


「25ですけど・・」
確かに俺は少し老けているが・・。


「え?あ・・そうなんですか~あせる でも、落ち着いていますよね」

最近思うのだが、”老けている”という言葉を遠回しに言う言い方って”落ち着いてる”って表現じゃないだろうか。


「私と同い年ぐらいかと思ってたけど、3つも年下なのね」

しかし、このモコの言葉は俺を驚かせた。


「・・・は?嘘でしょ?」


「ホントですよ~。私は28ですよ汗


「うわ・・・・見えん。どー見ても俺より下じゃ?」


「ふふラブラブ褒め言葉として受け取っておきますね」


思えばこの頃からモコは年上を振舞おうとしてたのではないかな・・・て。

俺はと言えば、年を知ってからも相も変わらず接している。






・・・つづく

タクとミキ(元カノ)が付き合い始めたのは6年と半年前。

大学の先輩(タク)と後輩(ミキ)、同じサークル。

二人を、周りもが祝福してくれた。



半年が経過した時、初めて二人は結ばれた。

お互いが初めての彼氏彼女。初めての体の触れ合い。

手探りだったけど幸せを共有した二人だけの時間



1年が経過した時、ある人がぽつりと言った。

「オマエらこのまま結婚するんじゃねーの」

タクもミキもそれを信じて疑わなかった、幸せな将来の予感



2年が経過した時、タクは留学した。アメリカへ。

毎日のように来る「寂しい」というメール。

何度も電話をし、お互いを励ましあいながら耐えた一年間



3年が経過した時、ミキは留学した。オーストラリアへ。

帰国後「これを乗り越えた私達は一生大丈夫だよね」とミキは言った。

2年もの遠距離を乗り越えた達成感



4年が経過した時、ミキが発した言葉。

「私はタクが初めての彼氏。とっても、とっても大好きだけど、私はこのまま一人男の人しか知らなくていいのかなって疑問に思い始めてしまったの」

何かがズレ始めた瞬間



5年が経過した時、お互いの就職が決まった。

電車で3時間の距離。たまにしか逢えない時間。

手を繋いでも、キスをしても、体を重ねあっても、ズレていく心。

互いにそれを感じ、それでも離れられない悪循環



6年と半年が経過した時、二人は別れた。

「タクといた6年間はとても大切な6年間だったよ。ありがとう、そして・・・ごめんね。さよなら」

二人で泣きながら別れ、最後のキスをした。

ミキは電車に乗り、タクはホームを去る。大きな喪失感




最後に過ごした夜に交わした言葉・・


今のお互いのままでは、仮にずっと一緒にいたとしても続かないよね。

だからこの別れをきっかけに、もっともっとお互い成長していこうと約束をしよう。

そして一周りも二周りも成長出来たとな思ったら、もう一度逢おう。

その時がいつになるのか、お互いどうなっているのか、その時にお互いがまたどうなるのかは分からないけど、その時はもっと冷静にお互いを見つめ合えるよね。

今、お互いに気になる人がいて、今後どうなるか分からないけど・・・この別れがあったから、次へ行ける。だったらこの出会いも別れも必然だったのかな・・って思えるんだ。

タクとは別れても・・・一番の友達だよ

えー、突然ですが、元カノと電話で深夜の12時から朝の4時まで話してしまいました(><)


元カノとの電話。それは正直言ってとてもヘヴィな内容でした。

元カノから聞く、今彼の話・・えぇ、殺意を覚えました、そいつに


冷静になれたら書きます・・というか今から寝ます・・

6年。元カノと付き合ってた期間。

ある日、突然手を引っ張られ「先輩、好きです!」と告白された時から、6年と半年が経ちました。

そして6年が経ったある日、彼女は言いました


「タクといた6年間はとても大切な6年間だったよ。ありがとう、そして・・・ごめんね。さよなら」


始まりは彼女から、終わりも彼女から。

ずっと「結婚しよう」と誓い合い、愛し合ってきた6年と半年はここで終わりました。



今、元カノには新しい彼氏が、俺は3つ年上の彼女が出来ました。

元カノと別れるまで、そして今の彼女と付き合うまでは波乱万丈でした・・


これからはそんな私、タクのつぶやきにお付き合い頂ければ幸いです。