Roots of TWO-J #41 "試合"
2019年の11月に癌と診断された。
中咽頭癌という喉の癌。
最初はなんでもない違和感から始まった。
なんとなく喉が変、くらいの話。
ただの違和感、痛みや腫れなどは無い。
軽く病院で診てもらったら、
もうちょっと大きい病院で精密検査したほうが、と言われ、
とりあえず次に行ったのは市民病院だった。
そこでの検査を数回行った結果、
中咽頭癌と診断された。
自分はどうしても専門医に診て欲しかったので、
先生にお願いして、愛知県がんセンターへ転院した。
そこでもゼロからしっかりと病状を診てもらった結果、
中咽頭に原発、舌と首?付近への転移、
結果、自分はステージ4と診断された。
喉の原発はすでに切除して取るのは不可能なサイズになっていて、
おまけに舌に関しては手術する場合は舌も摘出しなければならなかった。
イコール、喋ることは不可能になる。
それだけは避けたい。
自分の目の前の選択肢は、
抗がん剤、放射線、を使った標準治療しか無かった。
当時自分の体重は確か88キロ、
いろんな計算から、自分の体が耐えれる限界値までの抗がん剤の投与を余儀無くされた。
それで癌が消えるかどうか、
ある種、賭けの要素もあった。
そこから約2ヶ月半近く、入院してこの治療を行うことになった。
それにしてもステージ4とは驚いた。
ただ、どこかで、絶対に治すと覚悟は決めていた。
保証は無かったが。
細かな闘病記はここでは長過ぎて書けないので、
要所要所の場面を説明させてもらうと、
まず抗がん剤の投与は予想以上に最悪だった。
今までの人生の中で、一番 "気持ち悪い" 状態。
ここまでの気持ち悪さは味わったことがなかった。
全員 "バッドトリップ" を体験できると思う。
おまけに投与後、毎日みるみる体重が減り、
最終的に自分は63キロほどまで激痩せした。
マイナス25キロだ。
毎日鏡を見れば、自分が病人だという自覚は嫌でもわかる。
後頭部の毛が薄くなってきていた、
毛の無い犬を触ったときのような感覚。
これはどうせ後で生えるだろ、とか思ってここではほとんど気にならなかった。
院内だからかもしれない、外に出たら少し気になっていたかも。
体調はといえば、
色々な難を少しでも緩和するために、
いわゆるモルヒネを処方した。
これは看護師に申告して処方してもらえばすぐにもらえたが、
これも"麻薬" とされるもので、
パッケージには、赤い丸の中に "麻" と書いた印が大きく付いていた。
一言言わせてもらえば、どこが 麻?という話だけど。
痛みは本当に一瞬で消える。
一瞬といっても数分で効いてくる感じだけど、一瞬だ。
けど、あれこそ使いすぎは結局意味ないだろう。
そこからはあまり使わずに過ごした。
超くたばったが。
続く