Roots of TWO-J #17 "2003"
2003年。
1stアルバムがリリースされて、全国に流通した。
"自分のアルバムが日本全国で売られている"
こんなことになるとは、このストーリーの#1あたりの自分には全く想像できたものじゃなかった。
この頃はCDだからね、CDを発売出来るってことは、
俺みたいなアンダーグラウンドのアーティストとしてはやっぱり1つのステータスだった。
まず第一にスゲー嬉しかったし、同時に自覚も変わった。
生意気に言えばプロ意識が芽生えたし、良くも悪くもだが1つ目標を遂げた事でプライド的なものも自覚した。
あの少年が、あのDJコンテストで最下位の少年が、あの中毒気味の少年が、w
東京や東北や九州、全国各地でライブをするようになるんだから、それだけでもHIPHOPドリームってやつは充分に成立する。
そんな中、どこかのイベントで初めてBIG RONと出会った。
CD渡して、色々話した。その時もう決まってたイベントに後から、
"フライヤーもう出来ちゃってるけど、II-Jがよければ俺のイベント出てよ。"
なんてRON君が誘ってくれて、俺は喜んで参加した。
横須賀にあったヒデミュージアムで行われた "DOGS OF THE BAY"だった。
でかいイベントで、沢山のアーティストが参加してて、かなり刺激になったし、
CDが出てたからといってまだまだ駆け出しな俺は当然無名だし、そこまで盛り上げれたわけじゃなかった。もっと修行しようと決意もした。ただ初めて訪れた横須賀でBIGRON含め周りのみんなにもすげえ仲良くしてもらって、その土地の暖かさをたっぷり頂いたのを覚えてる。HIPHOPはやっぱりその土地の風土や人に根着いて発生してるからこそ、なおさら面白いのだ。ただの音楽じゃない。
ますます勢いが付いてきた俺は、その後、シングルや、REMIXアルバムや、間髪入れずにリリースして、どんどん面白いフィールドになり、仲間も増えて、日々HIPHOPに夢中な日々を過ごしてた。決して金持ちじゃないけど、自分の活動で思ったより金は入ってきたから、音楽やってくのに特に困りはしなかった。
そんな日々の中、ある日から、自分の地元を離れて暮らす事になる。
これもまた、あっという間に展開した当時のストーリーの、
別場面の始まりになった決断だった。