Roots of TWO-J #4 "痛い洗礼"
で結果その、よく分からないDJコンテスト当日を迎えた。
参加するDJは7~8人居ただろうか。
客入りはというと、お前ら普段どこにおんの?っていうくらい多くの客が入ってて、
その小さなDJバーが150人弱の客でパンパンになってるのを初めて見た。
で、いざ本番でどんどんいろんなジャンルのDJが順にプレイして行くわけだけど、
意外とどのジャンルのDJも客の反応はとても良かった。
木こりのTはというと、やはりスキルも格段に上だし、いけてるNewYork HIPHOPを連発して、かなりの盛り上がりを作ってた。
自分の出番は確か真ん中よりちょい後くらいだと思ったけど、
さすがに初めて大勢の客の前でプレイするのもあって、少し緊張してた。
でもかっこいい曲ばかり見繕っていたので、妙な自信はあった。
けど、無名の俺が容易には勝てるはずも無いと思い、ある作戦を立てて臨んだのだ。
簡単にいえば今でいうVJだな。けど、1995年にVDJの機材などあるわけもなく、
どうやってやったかというと、DJブース横には大きなホワイトスクリーンがあって、
そこにプロジェクターでよく店が映像を流してた。当然配線をミキサーに繋いで音も出せるわけで。流すハード自体は何かと言えば、はい、当然VHSのビデオデッキだ。
そこで少年TWO-Jが考えたのは1曲目の登場を映像付きで流して始めようっていう作戦。
当時そこに来てた客はジャンルも様々っていうのもあるし、ましてやLAのギャングスタラップのMVなど見たことも無いだろうという状況だった。
(ここで#1の話で登場する"海賊盤MV集"が役に立ってくるわけで。)
VHSビデオ同士でのMIXはさすがに不可能だったので、2曲目はレコードになるわけだが、MVからレコードのつなぎもしっかりMIXした。
案の定完璧な登場と掴みだった。
けど2曲目に移行してから徐々にフロアの客が減って行った。
えっ、マジで? 何で?みたいな動揺を全身で感じた。
なかなかアナログだけど、手の込んだSHOWを考えて自分の中ではかっこよすぎなくらいだったけど。今思えば、敗因は2曲目以降にプロジェクターが消えた途端、フロアの雰囲気が思いっきり覚めてしまったんだろうな。光の明るさ的にも。きっと。そういう事にしておこう。
どうであれ、あんなに早く終わりたいと思ったほど恥ずかしいDJプレイはあの時だけだ。
そして当然優勝などできるわけもなく、
俺は最下位だった。。。
しかも150人近くの投票で俺への票は
"2票 "
後で知ったが、票の内訳は ローライダーでLA好きな先輩の妹とその友達の2票。
結局優勝したのはメロコアをかけてたDJだった。
まあ、リアルに当時流行ってたのはあるけど。
だいぶ 凹んだのを覚えてる。
閉店後に関係者たちとトークしてたときに、
木こりが笑いながらからかってきた。
"くそっ"と思ったけど、正直木こりの評価などどうでも良かった。
客をロックできなかったのは俺だからねー。。。
ただ唯一、その時コンテスト以外の特別枠で出てた結構年上でスニーカーやアパレルのイケてるショップやってた地元のレジェンド的な先輩に
"カッコよかったよ 、あの曲やこの曲が良かった” なんて色々言ってもらった瞬間に報われたというか、俺の中ではその人に言われたなら、ある意味優勝かそれ以上の価値があった。
わかってる人はわかってるなー的な。嬉しかった。
そっからだね、"もっとかっこいいやばい事やってやろう!" と思ったのは。
ちなみにその時名乗ってたDJネームは "AKG"だった。w