不動産公売の配当の話
裁判所が行う競売でも、国税徴収法に基づく公売でも、基本的には不動産登記簿に登記した(根)抵当権の順番に従って配当される。
税金滞納による差押の場合は、滞納している税金の納付期限よりも先に(根)抵当権を設定していれば、(根)抵当権が税金に優先する。
今回起こった実際の話
1. H10年:債権者Aは不動産に根抵当権を設定(極度額1億円)
2. H15年:債務者B(不動産所有者)が税金を滞納し始める
3. H18年:市が不動産を差押(根抵当権者Aの債権額6000万円)
4. H25年:市が公売開始(根抵当権者Aの債権額3000万円)(税金滞納額3500万円)
5. H26年:対象不動産が6000万円で売れる。
本来、順位1番の根抵当権者Aが元本全額と極度額までの利息・遅延損害金を優先的にもらうことができる。
ところが、
市はおかしなことを主張したのである。
裁判所の競売では、根抵当権者Aへ全額配当されるが、
公売の場合、根抵当権者Aの利息損害金については、市の差押時までしか優先しない。つまり、今回の債権者Aの配当は元金のみだ、というのである。
その根拠は国税徴収法第18条だと言う。
【第18条第1項】 抵当権により担保される債権の元本の金額は、その抵当権者がその国税に係る差押の通知を受けた時における債権額を限度とする。
そもそも、国税徴収法および通達には、滞納した税金の納付時期よりも先に登記された根抵当権の被担保債権(根抵当権で担保される債権)は、その税金に優先すると明記されているのに、、公売の配当だけ違うというのは、おかしな話だ。
市に対して散々、当方の全額配当を主張したが、
市は、不服があれば、配当についての異議申し立てをしろ、といってまったく取り合ってくれない。
差押当時から、当方は3000万円を回収してきたのに、市は放置しておいて滞納税が逆に増えている。
「必ず異議申立てしてやるからな!」と市に言い放ち、準備に取り掛かっていたところ、
2~3日して市の担当者から、
「再度、国税徴収法を精査した結果、御社へ全額配当することになりました。」
と、かんたんな一言があった。
こちらが何も言わなければ、配当金は200万円程低くなっていたことを考えると、市の仕事がいかにデタラメであるとともに、公的な機関だといって無条件に信用してはならないことを思い知った。