再び「18きっぷ」の旅に戻ります。
予定では鳥取を7時23分に出る智頭行から旅を始めるつもりでしたが、変な時間に目覚めてしまい、もう眠れなくなってしまったので、5時18分に出る因美線の一番列車に乗ることにしました。乗り放題の「18きっぷ」なので、より多く乗れるこの方が却って好都合でもあります。
智頭で津山行に乗り換え、まずは県境を越えた美作河井で下車。山深いこの辺りはうっすらと雪化粧をしています。
ここはJRの全駅乗下車を達成した思い出の駅。あれからもう17年も経つのですね。当時はフリーター絶頂期の33歳。思えば本当にいろいろありました。
程なくして駅は無人化されたけれど、窓口が板で打ち付けられることもなく、現役当時さながらの姿で残っています。ここに来ると、これまでの様々なことが脳裏をよぎり、17年という時の流れをしみじみと感じさせられてしまいます。
反対方向へ行く列車に乗り、再び県境を越え、鳥取側へ。メインルートを智頭急行へ譲ってからは、すっかり鄙びたローカル線へと成り下がり、ここを行き来する人もグッと少なくなりました。
ホームは高い所にあり、駅舎へ行くには木の板で覆われた階段を下りて行きます。
そして駅を出ると、こちらも目に飛び込んでくるのは昔ながらの木造駅舎。今は駅舎内に診療所が併設されています。
さらに折り返し、岡山県側へ。次第に雪もなくなり、どんどん山を下りて行きます。
津山に着きました。乗り換えの都合上、ここで一時間余り休憩となります。
さすがに4方向へ路線が延びる駅とあって、活気が感じられます。でも以前に比べると、だいぶ寂しくなったような気も。
今度は後戻りするような形で姫新線を上ります。今度もカブリツキのしやすいキハ120。
東津山を過ぎると、姫新線を右へと分岐していきます。左がさっき通って来た因美線です。
20分余り進んだ林野で降ります。かつては急行も停まる活気に満ちた駅でしたが、今は交換設備も撤去され、行き違いもできなくなっています。
駅舎は今でも昔ながらの木造。風格のある造りが、かつての栄華を物語っています。
正面の顔も町の玄関に相応しい造りと言えます。
委託ながら窓口も営業。やはりここに人がいるといないでは、活気が全然違いますね。
やたらとホームが長いのは、かつての急行停車駅としての名残でしょう。
駅から少し離れた所にあるバスターミナル。こちらは随分と寂しげです。
折り返しの列車で津山まで戻ります。
津山から乗り換えた新見行は、まだ昼を回ったばかりだというのに下校の高校生でスシ詰め状態。恐らく期末試験か何かでたまたま混雑していると思われ、普段からこんな状態ならたった1両ということはないでしょう。でもローカル線がこれだけ賑わうのを目の当たりにすると、何だかホッとしてしまいます。
停まるたびに高校生は降りて行ったので、車内もだいぶ余裕が出て来ました。カブリツキのスペースが空いたのでそこへ移動。まだ立っている人も多く、仕方なくここに居るといった顔をして前面展望を楽しんでみます。
中国勝山で降りてみました。ここ止まりの列車も何本かあり、この辺では結構大きな駅です。
祭り期間の真っ最中だったらしく、駅前の通りはたくさんの人で賑わっています。こんな感じで地方都市が活気づいているのを見ると、とても嬉しく思います。
近くに大きな川が流れる町歩きもなかなか楽しいものです。
「道の駅」ならぬ「木の駅」というのがあり立ち寄ってみることに。中には木材や木工芸品の展示品がズラリ。食事もできます。
一時間近く町歩きを楽しんだ後、駅へ戻り折り返しとなる津山行の列車に乗ります。
今度は3駅戻った美作落合で下車。
以前訪れた時は古い木造の駅舎でしたが、今はコミュニティセンター併設の駅舎に建て替わりました。
新しい駅舎ですが、木材を使った内装は嫌味がなく、落ち着いた造りとなっています。待合室もゆったりとしていて、こういうのも悪くないかも。
またまた反対方向の列車に乗り、新見方面へ。こういう場合、乗り放題の切符が大いにその威力を発揮します。
そしてすっかり見慣れてきた同じ景色をまたまた眺め。
今後は久世で降ります。
ここの駅舎は特に変わった様子がなく、今でも昔ながらの風格を保っているようです。
委託で窓口業務も現役。ここに人が座っているだけで安心感が全く違います。
折り返しの列車は学校帰りの高校生で満員。カブリツキスペースも占拠されていますが、こういう光景もどこか微笑ましく思えます。
そのうちにカブリツキスペースが空いたので、さりげなくそっちへ移動。もはやこの景色もすっかり覚えてしまいました。
次に降りたのは院庄。
駅舎は待合室の部分をそっくり残す形で半分になっています。
中はガランとしていて殺風景。あまり長居したくなるような雰囲気ではありません。
さらに折り返し1駅、美作千代下車。
ここはもう思わず歓声を上げたくなるような激シブ駅舎がデンと構え。ここまで見事な駅舎はそうそうあるものではありません。駅前の丸ポストもいい味出しています。
中もほとんどいじられた形跡がなく、本当にこれはもうたまりません。17年前に初めて降りた時と何ら変わった様子がなく、当時を懐かしく思い出します。
ホーム側もまた実にいい感じで古き良き時代の面影を今に伝えています。
日没まではまだ辛うじて時間があったので、もう一駅、美作追分にも降りてみました。
17年前に降りた当時は、ちょうど駅舎を壊したばかりで、板切れの山が散乱するだけという痛ましい姿でしたが、今は「キリタローの館」と称する新しい駅舎が建てられています。
待合室はなかなかいい感じで列車を待つのに適しています。
陽が暮れたので今日の駅巡りはここまでにして、津山へ戻り、津山線で岡山までやって来ました。今日は夢中になって駅を乗り降りしたあの頃に帰ったみたいで、とても懐かしいひと時を過ごせた気がします。思えばあの頃が一番充実していたような。
今日はもう少し、さらに山陽道を大阪まで進み、明日は一日かけてのんびりゆっくり帰るつもりです。旅はまだ終わっていないけど、今回もホント、楽しかったナ。
鳥取 5:18 :58 智頭 6:22 → 6:59 美作河井 7:24 → 7:39 那岐 8:34 → 9:31 津山 10:39 → 11:01 林野 12:15 → 12:39 津山 12:46 → 13:31 中国勝山 14:29 → 14:45 美作落合 15:14 → 15:24 久世 15:44 → 16:18 院庄 17:10 → 17:16 美作千代 17:51 → 18:01 美作追分 18:18 → 18:40 津山 18:42 → 20:10 岡山 20:25 → 21:54 姫路 21:57(新快速) → 22:58 大阪
☆☆☆--- お知らせ ---☆☆☆
「新・鉄子の旅」第5集発売を記念して、4/6(土)に書泉グランデにてサイン会を行ないます。
http://info.shosen.co.jp/event/entry_764/
現場に立つのは二人だけですが、よろしかったら是非。
☆☆☆--- 再度お知らせ ---☆☆☆
ラジオドラマ「キハで行こう」
CD発売を記念して、「横ラジ」の公開収録をやっちゃいます。
ゲストに、ドラマにも登場している「鉄女育成スクール」の二人(堀込聖美&山本紗由美)をお迎えします。
日時3月20日(水・祝)14:00ー
場所大森バーディー第4スタジオ(JR大森駅から徒歩5分くらいの所です)
観覧ご希望の方は、yokoraji@birdy.co.jp まで。入場希望、お名前をかいてメールいただけると折り返し整理番号を書いて返信いたします。なお、これまでは会場を借りる都合上、入場料を徴収させていただいていましたが、今回は自社のスタジオでの公開のため、無料です。
収録のほかに、ミニライブや物販、握手会等も考えております。お気軽に参加していただければ幸いです。