今の芸人は、ミュージカルみたいに歌って踊るのよ。
ただ、突っ立って喋るばかりでは、能がないわ。
私は、歌って踊って、セリフも歌に乗せて送るのよ。
そう、私は、姫。
ここおぺら座のスターなのよ。
ほら、今日も、私のステージで、皆が熱狂してるわ。
つまらないぞ~~~。
引っ込め~~~~~~。
そうだ、引っ込め~~~~~~。
聞こえる?。
皆、興奮して、私の名前を呼んでるわ。
私のステージは、最高なのよ!!!。
今日も、ルンルン気分だわ!!!。
ステージを降りると、次の出番待ちをしているお嬢がいた。
私は姫、彼女は、お嬢。
おぺら座の二枚看板なの。
お嬢、頑張ってね、私みたいに!。
ちょっと、話があるんだけど、良いかな?。
通路で、突然、私に話し掛けて来た男がいた。
あなたは、もしかして・・・、おぺら座の怪人・・・・・・・。
いや、違う。
でも、仮面をしているじゃない?。
仮面などしていない、これは地顔だ。
そんな仮面みたいな顔が、地顔なの?、変な顔。
何を失敬な事を言うのだ!、余計なお世話だ。
それじゃ、あなたは誰なんですか?。
私は、エリック・江古田だ。
エリック・エロだ?、ただのエロ親父なの?。
それも、違う!、私は、ここの支配人だ。
まさか・・・・、支配人だったんですか・・・・・。
一体、何を騒いでいるんだね?。
そこに、仮面を付けた男が現れた。
あなたは・・・・・・。
そうだ、私が、本物のおぺら座の怪人だ。
そうなんだ・・・・、私に惚れてしまって、とうとう現れたのね。
ウフフ・・・、それも当然よね・・・・・・。
あなたは、美人で、しかも素晴らしい才能を持っている。
ほら、やっぱり、そうだわ・・・・・。
私は、是非とも、あなたの力になりたい。
それも、惚れた弱みなのよね・・・・・。
どうですか、お嬢さん?。
お嬢さん???。
ハッと気が付いて、後ろを振り返ると、そこには出番を終えたお嬢が立っていた。
お嬢さん、あなたは、紛れもなくスターになれる逸材だ。
そうだ、支配人の私も、そう思う。
ちょっと待ってよ、それじゃ、私はどうなのよ?。
アッ、君か、君は罷免だ。
罷免?。
ウソでしょう~~~。
そんなのないわ~~~~~~。
姫の悲鳴が、いつまでもおぺら座に響き渡ったのである???。