・混同されやすい生産管理と品質管理
生産ラインで情報化がいち早く進んだのは「生産管理」、いわゆる出来高の管理です。
生産目標に対して、現在どのくらいの進捗率かということが、工場内の電光掲示板(「アンドン」とも呼ばれます)に表示され、職場の責任者はそれを見ながら作業者にはっぱをかけます。
一方、品質管理という観点からは、販売する製品がどのような装置のどのような状態で作られたものかについて、以前より製造担当者が手書きの記録を残すということが行われてきましたが、現在では各製造装置のコンピューターにこうしたデータが記録されることも珍しくなくなりました。
・製造履歴を残す「トレーサビリティ」
企業の製造責任が大きく問われる今、自動車部品の製造ラインでも、製造日時や製品の良否に加え、生産設備の状況、加工後の寸法や強度の情報を、工程間をまたいだ一元管理化の取り組みが進んでいます。
一元管理することにより、自動車部品に不具合があった場合、その部品がいつ・どこで・どのように作られたものかが追跡できます。この仕組が「トレーサビリティ」と呼ばれています。
・「製造ビッグデータ」の活用
トレーサビリティが構築されている部品はまだ一部に限られますが、1台の車に数万個の部品が使われていることを考えると、それぞれの部品1点1点に製造データが記録された場合、膨大なデータ量になります。いわゆる「ビッグデータ」です。
3月19日のNHK「おはよう日本」の「特集まるごと」のコーナーで、「進化する日本のものづくり」というタイトルで、自動車エンジンの製造ラインでのビッグデータ活用の取り組みが紹介されました。
エンジン部品の加工工程で寸法やキズなどを計測・記録し、加工条件の最適化や品質の安定化を図るというものです。
ビッグデータを活用するためには、統計学やコンピューターの利用が欠かせませんが、どんなデータをどんなふうにインプットし、アウトプットされたデータをどのように評価するかはやはり人間が行う必要があり、その際シニア・エンジニアの豊富な経験が必要とされます。
私も自動車部品の鋳造工程で多数のデータを計測し、不良品との相関関係調査する仕事をしてきましたが、どのようなデータを使用するか、解析結果をどう読むかは複雑で非常に難しいのもでした。
・まとめ
人工知能の進化も気になるところですが、データをどのように利用するかは人間が考える必要があり、このような時代だからこそシニア・エンジニアの活躍の場がさらに広がると考えられます。
NHK「おはよう日本」
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/03/0319.html

