五代目小さん師

『芸は仁(人、ニン)なり』『芸は人(ニン)だ』と常々仰っていた


芸という物はその人が出る、芸を磨くのは大事だが、まずは人間が出来ていなければいけないという意味だが、


それは無い


過去の名人上手と言われた師匠方はどうだったか


志ん生も崇拝する四代目圓喬

皮肉屋で底意地が悪く、反りの合わない芸人仲間には堂々と嫌がらせをする性格


八代目文楽

結婚離婚五回は元より、最晩年まで次から次と愛人に事欠かなかったのは有名


名人の名を欲しいままにした六代目圓生

こちらも常に愛人が居り、愛人を自宅に呼びよせ、本妻に食事の世話をさせて愛人と食卓を共にし、愛人の世話をする本妻を見ながらほくそ笑んでいた


また、ケチで有名で、穴の空いた下駄の穴に唾をつけて埋めようとしたり、他人に金を出させて自分の碑を建てさせ、礼一ついわない等


名人とまでは言えないが上手である十代目小三治

自身は小さんの放任主義である程度自由闊達に育った癖に、自分の弟子には異常に厳しく冷酷、破門にした弟子の数は噺家最多

少しでも気に入らなければ弟子を飛び越え、孫弟子までクビにする異常さ


志ん生は親と絶縁したほど放蕩無頼を尽くし、何をやっても続かず、他にやることがなく噺家になった人


因みに、馬生、志ん朝は性格はいいが、酒が切れず、酒に命を捧げた短命な人生だった


ちょっと見ただけでも名人上手と言われた師匠方は、何かしら人間性に問題があり、これだけクセが強い


謹厳実直、品行方正な名人上手は皆無である


とても『芸は仁だ』とは言えない


芸と人間性は関係無い


いわば逆が真理


一癖も二癖もある人、何かしら癖の強い人が名人上手となりやすい


談志の弟子も言ってたろ?


談志を指して『芸は最高、人間最低』ってな


そんなもんさ