時間が出来たので、
私が最も敬愛する不世出の噺家、古今亭志ん朝師匠の墓参に行ってきた。
行きたい行きたいと長らく思っていたが、やっと墓参が出来た。
志ん朝師匠のお墓は御尊父たる昭和の名人、古今亭志ん生師匠と同じ美濃部家の墓所に入っている。
落語の世界で美濃部家は奇跡の家系であり、父 志ん生、長男 馬生、次男 志ん朝と親子三人が名人という家柄である。
他に世襲噺家の家系は海老名家(林家正蔵)や小林家(柳家小さん)、もう一つの小林家(桂三木助)もあるが、いずれも不世出の名人とまではなっていない。(三木助は芝浜の三木助といわれたが)
それだけに、美濃部家は奇跡なのである。
現在、馬生師匠のお孫さんである金原亭小駒さんが二つ目で頑張っている。
曾祖父は志ん生
祖父は馬生
大叔父は志ん朝
叔母は池波志乃
小駒さんには、古今亭の正統派の藝を継いで、令和の名人を目指して貰いたい。
次に向かったのは、半蔵門ミュージアム
ここは宗教法人真如苑が運営し、無料で一般公開しているミュージアムである。
目玉は、鎌倉仏師 運慶作の重文 大日如来座像である。
オークションで海外流出が危惧された運慶作 大日如来を真如苑が14億円で落札し国外流出を食い止めたのは記憶に新しい。
この大日如来は東京国立博物館に展示されていた時代に数回拝みに行っているので久しぶりの再会だ。
しかし、運慶は一番好きな仏師ではない。
一番は定朝である。
定朝は現在まで通じる仏像彫刻技法、寄木造りを完成させた天才である。
運慶とて、定朝あっての運慶であり、定朝から見ると枝葉末節なのである。
しかし凄い。
何が凄いって、半蔵門という超一等地にビルを持ち、重文を惜しみ無く無料公開してしまうミュージアムを運営している真如苑の資金力。
設計は栗生明氏。
歴代三人の館長も日本美術史界に名の轟く高名な方々だ。
この資金力を辿れば真如教徒(真如苑信徒の事)さんのお布施だろう。
スタッフのホスピタリティのレベルの高さも驚いた。
真如苑は他宗教との融和路線を摂っているのも特徴。
このような施設を運営しているのも一般からの批判回避の目的もあるのであろうか。
これと言った直接被害も受けず、無料で文化財美術鑑賞等の利益を享受していたら批判はしにくいだろう。
しかし、私ら伝統宗派の立場から本音を言えば、新宗教は全ていけない。
いくらでもおかしい点、異常な教義、矛盾点等を指摘できてしまう。
そもそも教祖一家を礼拝している時点でおかしいからね。
信者さんは井の中の蛙だから、異常に気付かない。
信仰で救われている人がいる以上、十把一絡げに新宗教すべてがダメとは言いにくい、難しい問題を孕んでいるのだ。
さて、母が芳しくない。
認知症ゆえにリハビリが進まない。
仮の退院予定は7月上旬であるが、未だコロナの影響で面会も出来ず、
退院迄にどこまで回復するか。
心配が募るばかりだ。