この度、アルツハイマー病である母は『高齢者ブレインバンク』にドナー登録をさせて頂きました。
東京都健康長寿医療センター(研究所)
高齢者ブレインバンクhttps://www2.tmig.or.jp/brainbk/
東京都、厚労省、文科省から研究費が拠出されている、パーキンソン病やアルツハイマー病等、難治性神経難病研究の基幹病院です。
ブレインバンクとは、HPに詳しいですが、いわば脳の献体(脳献)です。
医学のみならず物事の発展は研究に尽きます。
医学研究に献体は絶対に必要です。
私が最低限以上の動物実験は反対という理由の一つですが、やはり人間の医療は人間で見ないとわからないからです。
解りやすく例えれば、現在のコロナウイルスだってそうでしょ?
マスクも消毒もワクチン接種もしないペットを含む動物がバタバタ死にましたか?
動物にも感染はするようですが、発症や重症化はしないですよね。
構造は似ていても、やはり人間とは違う訳ですよ。
認知症は高齢化社会を迎えた日本の社会問題ですが、諸外国でも同じです。
現時点では治療法が無い。
進行を食い止める事さえ出来ない認知症。
例えば不治の病であったHIVやリウマチだって、治療さえ開始すれば、その時点からほぼ進行は食い止められる時代になりました。
研究があったからこそですよ。
私が中学時代に亡くなった父はB型肝炎による肝がんでしたが、死後、病院からの病理解剖(剖検)依頼に、母子共に喜んで承諾し、父は病理解剖されております。
父最大の医学貢献です。
剖検は大事です。
本当に勉強になりますよ。
画像や血液検査でわからなかった事を各臓器まで直接詳細に調べ、生前の診断と治療は正しかったのか、隠された合併病変が無かったか等を評価をするのが剖検。
剖検結果は院内カンファレンスで共有され、場合により学会発表もされ、全国の医師間での共有財産となり、今後の治療に役立てられます。
ブレインバンクでは認知症研究用に全脳摘出保存だけでなく、通常の剖検同様に各臓器もサンプル採りして総合的に評価するようです。
人はいずれ必ず死にます。
焼いたら研究のしようがありません。
どうせ焼いてしまうのならば、未来の医学発展、医療進歩に少しでも貢献したいという考えは数十年前から変わりません。
現在の医療水準は過去に於ける余多の尊い献身の上に成り立っており、更なる医療進歩の為、その遺志を次世代につなぐ事が、死後自己犠牲を厭わなかった方々への恩返しだと思います。
自分のことばかり考えていてはダメだよね。
40代から記憶障害に苦しんだ天才博物学者の南方熊楠は、自身の脳を阪大に解剖依頼し、今でも阪大に保存されています。
熊楠は当然、自分では解剖結果を見られないにも拘わらず解剖依頼をしたのは、ひとえに後世の医学発展の為に尽きます。
ブレインバンクの輪が拡がって欲しいです。
ドナー登録者が増えれば研究も進み、治療出来る時代の到来は早まります。
未来に同じ病で苦しむ人が救われますように。