2016年9月22日、海外ニュースサイトのMediumは、アメリカの法執行機関がソーシャルメディアを監視できるソフトウェアを使用して活動家たちを監視下に置いていることを報じました。アメリカではボルチモアやファーガソンで黒人青年が警察に射殺されたことや拘束中に死亡したことを受けて、各地域で抗議行動が起こっていましたが、警察はその際にGeofeediaのプロダクトを使ってTwitter・Facebook・Instagramから得たユーザーデータを活用。SNSから警察側に渡っていたのはユーザーが投稿した内容からわかる位置や写真を始めとした情報で、これらは500ほどの法執行機関にリアルタイムで提供されたとのことです。

警察など公的機関が「大衆に迫る危険を認識するため」という名目のもと活動家らを監視することはこれまでも報じられており、国民の政治的な意志決定がコントロールされる恐れがあるとして、問題視されてきました。 カリフォルニアACLUが発見した、Geofeediaの代表から警察に向けて送られたメッセージの1つでは「GeofeediaはTwitterやInstagramからプライベートな情報を引き出すことができる」ということや、「Facebookと内密に法的拘束力のある協定を結んだ」ということが述べられており、 マイケル・ブラウン射殺事件などに関する抗議行動の際にも活動家たちのトラッキングに成功したこともメッセージ内容から明らかになっています。

この件に関してはThe Washington Postも大きく報道しています。 FacebookやInstagramでは開発者がAPIを使ってユーザーの誕生日や来歴・交友関係といったデータや、位置情報などを取得することができますが、今回GeofeediaはInstagram APIやTopic Feed APIを利用することで個人情報を入手。また、Twitterに関してもFirehose APIを利用して性別や興味・緯度・経度の座標などを把握していました。なお、The Washington Postは上記の内容について「Facebook・Instagram・Twitterは広告から収益の多くを得ていますが、サイドビジネスとして第三者にユーザーに関する豊富なデータストリームにアクセスする権利を販売している」と報じています。

2016年10月11日にカリフォルニアACLUが発表した内容によると、上記の一件が明るみに出たことを受けて、Instagramは一般ユーザーに対するGeofeediaのアクセスを遮断、Facebookも一般ユーザーが投稿したトピックベースのフィードかGeofeediaを遮断したことのこと。

なお、Facebookは「開発者はユーザーが『公開する』としたデータにしかアクセスできないため、Geofeediaは不適切にデータにアクセスした」と説明しています。 しかし、ユーザーのデータが社会的・政治的に守られるためにはさらなる取り組みが必要であるとし、カリフォルニアACLUの代表であるニコル・オザール氏は「これらのプラットフォームは、有色の活動家の言論の自由をさらに保護し、警察による監視を助長する行いをやめる必要があります」と語っています。また、「ACLU
FacebookやTwitterの開発者がすることに関して指示すべきではありません。企業は強力なプライバシーポリシーを制定し、差別的な監視に対してプラットフォームが利用されていないか調査する手順を確立する必要があります」とも述べました。