Microsoftが2015年の7月末にリリースしたOS「Windows 10」では、リリースからしばらくが経過してからユーザーの許可なく自動アップグレード寸前までいってしまうという報告が相次ぎ、これに対抗すべくWindows 10への自動アップグレードテロをワンクリックで防ぐツールが公開され、その後さらに、自動アップグレードスケジュールの通知が凶悪化したりと、Windows 10にアップグレードさせたいMicrosoft側とアップグレードしたくないユーザー側の激しい攻防が続いてきました。そんな中、Microsoftを相手に「PCが意図せずWindows 10へ自動でアップグレードしてしまい、PCが使用できなくなった」として訴えを起こしたアメリカ人女性が、1万ドル(約100万円)の賠償金を勝ち取ることに成功したことが明らかになりました。

IT業界のリーディングカンパニーであるMicrosoftを提訴したのは、オンライン旅行サービスを運営するテリー・ゴールドスタイン氏。彼女は「仕事で使用していたPCが意図せず自動でWindows 10にアップグレードされてしまい、その結果、PCが使用できなくなり仕事に支障をきたした」としてMicrosoftを提訴しました。ゴールドスタイン氏は「Windows 10なんて聞いたこともなかったし、アップデートするかどうかをPCが聞いてくることもありませんでした」と語っています。


ゴールドスタイン氏によると、Windows 10への自動アップグレードのあとPCの動作は不安定になり、頻繁にクラッシュするようになったそうです。ゴールドスタイン氏はMicrosoftのカスタマーサポートにも連絡したそうですが、PCが正常に動作するようになることはなく、1か月以上仕事にPCを使用できなくなり、最終的には新しいPCを購入する羽目になったとのこと。こういった経緯から、ゴールドスタイン氏は新しいPCの購入費用と逸失利益を求めており、Microsoftは1万ドルの賠償金の支払いを命じられることとなったわけです。なお、Microsoft側は「いかなる不正行為もなかった」とコメントし、あくまでもWindows 10へのアップグレードはオプションであると主張しています。ただし、Microsoftのスポークスマンによると、「訴訟費用がかさむことを避けるため、控訴はしない構え」とのことです。

しかし、Microsoftが執拗にWindows 10へのアップグレードを済ませていないWindowsユーザーに対してポップアップ広告を表示し続けていることは事実です。実際、テクノロジージャーナリストのポール・サーロット氏によれば、「最新版では、Windows 10へのアップグレード広告ウインドウの『×』アイコンをクリックするだけで、アップグレードに同意したこととみなされる」とのことです。


なお、Windows 7/8.1からWindows 10へ無償でアップグレードできるのは2016年7月29日までです。