
三国志の赤壁の戦いを完成させたのは東南風だった。強烈な東南風は曹操の大軍を燃やした。米国の利上げでは11月の雇用指標が東南風の役割をするようだ。雇用市場の好調が改めて確認され、利上げのためのパズルがすべてそろったからだ。
4日(現地時間)に発表された11月の雇用指標は期待以上だった。新たに増えた雇用者数は21万人。市場の予想の20万人を上回った。失業率は前月と同じ5%を維持した。 9月と10月の雇用指標も上方修正された。9月の新規雇用は13万7000人から14万5000人に、10月は27万1000人から29万8000人に増えた。指標上で米国経済は完全雇用に向かって順調に進んでいる。 前日、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は上下両院合同経済委員会の公聴会で、「単に新たに雇用市場に進入する人々を吸収するためなら、新規雇用は毎月10万人以下でも十分だ」と述べた。すでに11月の雇用状況は利上げを阻止する絶対変数ではないが、発表された指標は利上げが時期尚早という反論を眠らせるほどの威力を持った。
FRBのもう一つの目標のインフレも離陸の準備を終えた。物価上昇の強力な前兆である賃金上昇が明確だからだ。1時間あたりの賃金(前年同月比)は10月は2.5%、11月は2.3%上昇した。 ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「11月の雇用指標がFRBが利上げに向かう道をきれいに整えた」と評価した。振り返ると7年だった。金融危機の中、消費と投資を活性化するために2008年12月に断行された「ゼロ金利実験」の終了がカウントダウンに入った。
ゼロ金利時代の閉幕はすぐに高金利時代の開幕につながるわけではないようだ。グリーンスパン元FRB議長の利上げ時期のように、ためらわず果敢に利上げするには状況が容易でないからだ。何よりも米国と世界経済の「脱同調化」が足かせになるとみられる。米国を除いた世界の多くの地域の経済が停滞している。欧州中央銀行は最近、マイナス状態の預金金利をさらに引き下げた(-0.2から-0.3%)。日本は量的緩和を続ける態勢だ。一部では規模をさらに増やすべきだという声も出ている。中国はさらに攻撃的な利下げが予想される。こうした中、米国だけが利上げを続けるのは不可能だ。ドル高のためだ。ドル高は米国経済に致命傷を与える。輸出が減少し、雇用が減り、輸入物価が落ち、物価上昇を妨げる。雇用と物価の安定というFRBの2つの目標を阻むということだ。昨年夏のチャイナショックが米経済に影響を与えたのも結局はドル高を通じてだ。すでにドル高は目立っている。FRBによると、主要通貨に対してドルは今年だけで約9.4%値上がりした。
それでも今月の利上げが重要なのは象徴性のためだ。FRBがこれ以上ゼロ金利を容認しないという意志、正常な水準に金利を上げていくという決意が込められている。 今後重要なのは利上げの速度だ。イエレン議長は4日の公聴会で「雇用とインフレがFRB目標に近接した後にも金利はしばらく長期正常水準下にあるだろう」と強調した。徐々に金利を上げるという意味だ。 9月の時点でFRB幹部が予想した来年末基準の金利予測中間値は1.4%だ。FRBが今月中旬に0.25%引き上げると仮定すれば、来年は約1%以上さらに上げるということだ。
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しかし現時点で投資銀行はFRBがそれよりもゆっくり動くと予想している。韓国銀行(韓銀)によると、ウォール街の投資銀行18カ所のうち9カ所がFRBの来年の利上げ方式について「3回、0.75%引き上げ」を予想した。1%引き上げを予想したのは4カ所だ。1%以上引き上げると予想する投資銀行はなかった。 しかしイエレン議場は以前からFRBの金利政策が「データ依存的」という点を強調してきた。景気が予想以上に上向けば、利上げの流れも速まる可能性があるということだ。今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)会議の結果が公開される16日のイエレン議長のメッセージが注目される。